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「小渕首相の政治団体に超過献金」刑事告発は団体解散で不起訴に

奥山 俊宏

 活動をほぼ休止している三つの「政治団体」を経由して、小渕恵三首相(当時)の資金管理団体「未来産業研究会」(東京都千代田区)に、会社役員ら7人からそれぞれ200~500万円の献金が流れていることが分かり、大阪の市民グループが「同一個人からの政治献金を年150万円以下に制限した政治資金規正法に違反する」として、1999年12月3日、同研究会を東京地検に刑事告発した。同研究会は「違法はないものと考えている」と反論した。その後、小渕首相は2000年4月に病に倒れて翌月に死去。同研究会は11月に解散し、東京地検は2001年3月に不起訴処分とした。

▽筆者: 奥山俊宏

▽この記事は1999年12月7日の朝日新聞朝刊に掲載された原稿にその後の経緯を含めて加筆したものです。

  

 告発したのは、森岡孝二・関西大教授(当時)らでつくる「株主オンブズマン」の会員。三つの団体は「恵山会」「恵和会」と「恵友会」。自治省(当時)への届け出によれば、恵山会と恵和会は、未来産業研究会と同じ東京都千代田区永田町二丁目のTBRビル(当時)に事務所を置いており、また、会計責任者の女性は未来産業研究会の事務担当者と同一人物。また、恵友会は東京都中央区八重洲の会社内に事務所を置いており、未来産業研究会と事務担当者が同じだ。

 各団体の政治資金収支報告書によると、東京都世田谷区の会社役員は1998年、恵友会に150万円、恵山会と恵和会に100万円ずつ寄付した。3団体への計350万円はその年の12月に各団体から未来産業研究会に寄付された。この会社役員は未来産業研究会にも150万円を寄付しており、計500万円が研究会に入った。

 群馬県の会社役員は1998年8月25日、未来産業研究会と恵友会に100万円ずつ寄付したことになっている。この会社役員は取材に対し、「TBRビル(の未来産業研究会の事務所)に持っていった。恵友会もそこだった」と述べ、実際には現金200万円を同時に未来産業研究会側に渡し

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筆者

奥山 俊宏

奥山 俊宏(おくやま・としひろ) 

 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。2013年から朝日新聞編集委員。2022年から上智大学教授(文学部新聞学科)。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。近刊の著書に『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実 改正公益通報者保護法で何が変わるのか』(朝日新聞出版、2022年4月)。
 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。 「後世に引き継ぐべき著名・重要な訴訟記録が多数廃棄されていた実態とその是正の必要性を明らかにした一連の報道」でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞を受賞。
 そのほかの著書として『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)、『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。
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※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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