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「戦争法案」会議録、大幅遅れでやっと検索可能に

奥山 俊宏

 「戦争法案」をめぐって議論があった3月20日の参院予算委員会(岸宏一委員長)の議事録が通例よりも大幅に遅れて国会会議録検索システムで検索可能となり、インターネット上で読めるようになった。

 公開された議事録によると、この委員会で、社民党の福島瑞穂参院議員は「戦争法案」の言葉を使って安倍首相に質問した。その質疑では「戦争法案」の言葉に特段の反論はなかった。しかし、福島議員の質問が終了し、荒井広幸議員(新党改革)の質問に移ったところで、安倍首相は「戦争法案、徴兵制が始まる、これはデマゴギーと言っても私はいいんだろうと思います」と述べていた。

 国会会議録検索システムでは5月11日朝の時点で、中野正志議員(次世代の党)が4月6日に参院の政府開発援助等に関する特別委員会で

 一部ではありますけれども、戦争法案などと悪意のデマでおとしめて安倍政権に反対、反発している向きもあります。しかし、それらの国々との太平洋戦争後の七十年の今日までの歴史を考えれば、その議論が間違っていることは私は歴然としていると思います。

と述べた際の議事録は、3月20日よりも後の会議であるにもかかわらず、3月20日の会議よりも早く、PDF版も含めて公開されていた。
 また、柚木道義議員(民主党)が4月22日に衆院の文部科学委員会で

 私もちょっと驚きましたのは、社民党の福島みずほ副党首の発言も、戦争法案と安保法制を呼ぶこと自体、いろいろな見方はそれはあると思いますよ、あると思いますが、それを議事録修正、削除というようなところまでいくと、これはまさに質問権との兼ね合いも含めて、例えばネーミング一つでも(中略)こういうような、政治や言論、報道の現場でまさにそれを抑圧するようなことが起こっていること自体が私は非常に問題だと思います。

と述べた際の議事録も検索可能な状態で公開されていた。
 しかし、これらの議論の元になったと思われる福島議員の発言は「戦争法案」の語で検索しても、5月11日朝の時点では見あたらなかった。

 このほど新たに検索可能な状態で公開された3月20日の参院予算委員会の議事録は以下のとおり。

拡大5月11日朝、国会会議録検索システムを「戦争法案」で検索した結果の一覧の画面
 ○福島みずほ君 次に、戦争法案、安保法制についてお聞きをいたします
 先ほど、与党の中で、与党というか、安全保障法整備の具体的な方向についてという与党の中での合意が成立をいたしました。本当に残念です。何で憲法違反のこういうことが起こり得るのかと思います。
 総理にお聞きをいたします。新三要件を満たせば海外で武力行使をするということもできるわけですね。

拡大5月12日昼、国会会議録検索システムを「戦争法案」で検索した結果の一覧の画面
 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権の一部容認に当たって、その武力行使の要件として新三要件を設けたところでございます。

 ○福島みずほ君 質問に

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筆者

奥山 俊宏

奥山 俊宏(おくやま・としひろ) 

 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。2013年から朝日新聞編集委員。2022年から上智大学教授(文学部新聞学科)。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。近刊の著書に『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実 改正公益通報者保護法で何が変わるのか』(朝日新聞出版、2022年4月)。
 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。 「後世に引き継ぐべき著名・重要な訴訟記録が多数廃棄されていた実態とその是正の必要性を明らかにした一連の報道」でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞を受賞。
 そのほかの著書として『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)、『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。
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※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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