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患者をないがしろにする病院の不正が続いた理由

公益通報者保護法の不備の改正を医師が求める

岩本 美帆

 「市民のための公益通報者保護法の抜本的改正を求める全国連絡会」の結成を記念する集会で7月2日、麻酔科医の志村福子さん(43)が千葉県がんセンターでの自身の経験を語った。腹腔鏡手術で死亡例が相次いでいることや、医師がやるべき麻酔を歯科医が日常的に行っていることをセンター長や厚生労働省に内部告発したのに、是正に結びつけることができなかった。「公益通報者保護法の改正を強く望んでいます」と志村さんは語った。

▽関連記事: 千葉県がんセンター「内部通報の報復として医師の業務外す」二審も県が敗訴

▽注:最高裁の決定に関する記述は2015年11月16日に追加しました。
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集会で発言する志村さん=7月2日午後5持59分、東京・永田町で
 「私がこのような場に出ているのは、私たちのような立場の人を、一人でも無くしたいからです」
 7月2日夕方、東京・永田町の衆議院第二議員会館会議室。この日に発足した連絡会の結成集会で、集まった国会議員や消費者団体関係者ら約80人を前に志村さんは訴えた。
 「実名で告発したことで不利益を受け、その後の人生設計にも影響する。名前を出しているため、第三者からもいまだに批判を受ける」

 千葉県がんセンターに勤めていた2010年7月、志村さんは

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