2016年02月15日
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米司法省の捜査で罰金など制裁を課せられるのに備えてオリンパスが昨年から特別損失を計上している事件は二つある。一つは、米国内の医者への利益提供について米国の公的医療保険への不正請求とみなされ、反キックバック法、虚偽請求取締法への違反を疑われている事件。もう一つは、ブラジルの医者への利益提供について米国の海外腐敗行為防止法(FCPA)への違反を疑われている事件。罪名は異なるが、医者への利益提供を罪に問われている点で共通する。オリンパスは、内視鏡など医療用の機器を世界各国で販売しており、医者は同社にとって直接の顧客にあたる。
2月5日に同社から発表された第3四半期末(昨年12月末時点)の貸借対照表によると(注1)、オリンパスはこれらの事件で将来の罰金などの支払いに備え、「米国反キックバック法等関連引当金」として773億100万円(1ドル120円60銭で換算して約6億4100万ドル)を流動負債に計上している。関係者によると、米国内の案件で約745億円(約6億1800万ドル)、ブラジルの案件で約27億6千万円(約2300万ドル)という内訳になっているという。
これまでにオリンパスが公表してきた四半期決算や同社の説明によると、損益計算書では、これら引当金に見合う特別損失として、
米国内の事件で
昨年1~3月に 538億6600万円(1ドル109円93銭で換算して4億9千万ドル)(注2)
昨年10~12月に 155億9千万円(1ドル121円70銭で換算して1億2810万ドル)(注3)
合計 694億5600万円(6億1810万ドル)
ブラジルの
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