メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

パナマ文書報道めぐりフィンランド公共放送「税務当局が提出求め圧力」

 タックスヘイブン(租税回避地)の利用実態を暴いた内部文書、いわゆる「パナマ文書」をめぐり、フィンランドの公共放送「YLE」は29日、同国の税務当局がYLEにパナマ文書や関連するすべての取材資料の提出を求め、圧力をかけていると明らかにした。YLEは同日、公式ウェブサイトに声明文を掲載。言論の自由とジャーナリズムの取材源の秘匿原則を理由に、要求に応じない姿勢を強調した。

▽この記事は2016年4月30日の朝日新聞に掲載された原稿に加筆したものです。

▽関連記事: パナマ文書に関する記事

 

 YLEは、「パナマ文書」報道を主導する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が当局に提供しない方針を打ち出し、各国の提携メディアも従っていると説明。フィンランドのジャーナリストが信頼を保ち、国際調査報道のネットワークに携わり続けることが国民の利益にもなると説いた。

 パナマ文書の調査報道に関わるYLEのミンナ・クヌスガラン記者(49)によると、税務当局が4月19日に資料の引き渡しを求め、29日がその期限だった。求めに応じない場合は局舎や記者の自宅の家宅捜索の可能性も示唆されたという。「フィンランドは報道の自由度ランキングで1位を誇る国。政府がここまで強制的に取材資料の提出を求めた例はなく、危機感を抱いている」と話した。