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公益通報者保護法改正の方向で消費者庁検討会が最終報告書

奥山 俊宏

 組織の不正を内部告発した人を法的に守るための公益通報者保護法について、消費者庁の有識者検討会「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」が、適用の対象を広げ、保護を手厚くする法改正の方向性を示した報告書をとりまとめた。12月15日、同庁が公表した。保護の対象をこれまでの「労働者」だけでなく「退職者」や「役員」にも広げるなど「法改正に向けた具体的な検討」を提言している。

▽この記事は2016年12月5日の朝日新聞に掲載された原稿に加筆したものです。

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■「法改正に向けた具体的な検討」を提言

消費者庁の検討会の最後の会合=2016年12月9日、東京・霞が関で
 検討会は2016年3月に第1次報告書を発表。それに基づいて、同年4月に刑法や会社法の専門家を入れたワーキング・グループを設け、11回の会合を重ねて法改正の各論点について議論し、同年11月にワーキング・グループ報告書をまとめた。最終報告書は、第1次報告書とワーキング・グループ報告書をそれぞれ「別紙」として含め、これを総合する形で冒頭に「最終とりまとめ」がつける構成とされた。

 報告書の中で、検討会は

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