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内部通報制度「機能不全」東芝、化血研、福山通運……整備義務を法定へ

奥山 俊宏

 組織の不正に関する現場の声を受け付けて自浄に生かそうとする企業の内部通報制度について「十分に機能していない」と指摘される事例が相次いでいる。内部通報制度はこの15年で急速に普及が進んだが、形骸化している企業も多い。公益通報者保護法を所管する消費者庁は2016年12月9日、「内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」を制定。また、同庁の検討会は、公益通報者保護法を改正して、実効性ある内部通報制度の整備を企業に義務づける法規定を設ける方向で検討すべきだと提言した。

内部通報制度の普及

拡大内部通報窓口を設置したことによる主な効果=2016年度の消費者庁「民間事業者における内部通報制度の実態調査報告書」(概要版)から
 内部通報制度は2000年ごろ、大手企業を中心に「ヘルプライン」「ホットライン」などの名称で導入が始まった。日本経団連が2002年に不祥事防止策として会員企業に整備を呼びかけ、公益通報者保護法が2004年に制定されてその動きを後押しした。

拡大内部通報制度の導入状況=2016年度の消費者庁「民間事業者における内部通報制度の実態調査報告書」(概要版)から
 2016年度の消費者庁の調査によれば(注1)、回答した3471事業者のうち1607事業者(46%)が内部通報制度を導入していた。特に従業員3千人超の事業者の99%が導入済みだった(注2)。導入済みの事業者の60%(従業員3千人超の事業者では77%)は社内と社外の双方に窓口を持っていた。国の省庁(39機関)と都道府県庁(47機関)でも、そのすべてで内部職員向けの通報窓口を設けており、市区町村(1711機関)については2016年3月末時点で52%が導入していた(注3)

 2015年6月に施行されたコーポレートガバナンス・コードでも、次のように推奨されている(注4)

 上場会社は、その従業員等が、不利益を被る危険を懸念することなく、違法または不適切な行為・情報開示に関する情報や真摯な疑念を伝えることができるよう、また、伝えられた情報や疑念が客観的に検証され適切に活用されるよう、内部通報に係る適切な体制整備を行うべきである。取締役会は、こうした体制整備を実現する責務を負うとともに、その運用状況を監督すべきである。

 米国では、エネルギー会社のエンロン、通信会社のワールドコムで相次いで粉飾決算が発覚したことを受けて、2002年、企業会計改革法(SOX法)を制定・施行。上場企業の監査委員会に内部通報窓口の整備を法律で義務づけている(注5)

 このように内部通報制度は組織の不祥事を早期に発見する重要なツールと位置づけられ、少なくない人員と資金が投入されている。しかし、現実には問題が続出している。

機能しなかった内部通報制度

 内部通報制度が十分に機能していなかった――。そう結論づけざるを得なくなる企業が相次いでいる。住友電設、福山通運、ホウスイ……。子会社で不適切な会計処理があったのに、内部通報がなかったからだ。

福山通運

 物流会社の福山通運(広島県福山市)は2016年2月5日、子会社の元役員が取引先に水増し請求をさせて会社のお金を着服していたと発表した(注6)。特別調査委員会を設けて調べたところ、被害は6億円余と判明。「請求書の流れなど違和感を感じている従業員がいたにもかかわらず、これに関する通報がなかった」として、「社内通報制度の活用に対する周知が不十分だった」と分析した(注7)

高田工業所

 産業プラント建設会社の高田工業所(福岡県北九州市)は2016年3月、実態のない工事の架空発注や現金のキックバックなどの不正を税務調査で指摘されたと発表した(注8)。第三者委員会(委員長=垰尚義弁護士(長島・大野・常松法律事務所パートナー))を設置して7月にかけて調査したところ、各地の事業所で長期間にわたって工事高や工事原価の数字の操作が行われていて、多くの社員が不正を知っていたことが判明した。役員のなかにも不正の可能性を分かっていた人がいた。「その中の一人でも、内部通報制度を利用し、その事実を通報していれば、問題が早期に発見され、是正のための諸施策が実施されていた可能性がある」との調査報告書が7月8日付でまとめられた(注9)

 内部通報制度が適切に利用されなかったことを踏まえ、今後、同様の問題発生時には内部通報制度が利用されるよう、内部通報制度利用の社内周知や外部窓口の設置等、その内容及び運用の改善を検討し、内部通報制度の強化を図るべきである。実際、本調査の開始後においては、不適切な会計処理・取引に関する自主申告がなされ、本調査の一助となっているのであって、高田工業所は、そのような自主申告を行った者らの精神・意識を今後は有効に活用すべきといえる。

ホウスイ

 水産食材卸売会社のホウスイ(東京都中央区)は2016年3月23日、子会社「せんにち」の元経理課長による着服や売上の過大計上が明らかになったと発表した(注10)。2月上旬、元経理課長の上司の営業本部長が取引先の仕入高に疑問を持ち、元経理課長に問いただしたところ、回答がなく、数日後に退職の申し出があった。そこで調べを進め、判明したという。
 ホウスイは7月29日、東京証券取引所に改善報告書を提出した(注11)

 内部通報制度については、職場環境やパワハラ等の通報(この3年間で9件の通報)はありましたが、横領や不適切会計等の通報はありませんでした。(中略)通報内容に偏りがあったため、更に内部通報制度の趣旨を全員に周知徹底する努力が足りませんでした。(中略)社内通報制度の利用の徹底を図ります。

住友電設

 設備工事会社の住友電設(大阪市西区)では、インドネシア子会社から「前副社長の人事異動により、後任者が業務を引き継ぐ中で(中略)不適切な会計処理が行われていたことが判明した」との報告が寄せられ、2016年6月17日、調査委員会をつくった(注12)。2014年3月期に社長の指示で過大な利益計上が行われ、以後、前副社長が「計画必達がトップの方針」との誤った認識で過大計上を続けたという。その営業損益への影響額は14億6千万円と算定された。調査委員会は7月26日、調査報告書をまとめ、子会社について「内部通報制度を制定・運用しているが、本事案に関する通報は一切なかったことから、本制度が充分に機能していない」と結論づけた(注13)。親会社の内部通報制度を海外子会社にも展開しており、英語でも受け付ける態勢にしていたが、この問題ではそれが機能しなかった。

当局や報道機関に内部告発

東芝

 東芝の粉飾決算についても、当初、内部通報はなかった。一方、証券取引等監視委員会や報道機関には内部告発が相次いだ。会社の姿勢について社員の信頼が得られていなかったからだと同社の第三者委員会は分析した(注14)

 東芝においては内部通報窓口が設置されており、毎事業年度数十件の通報が行われていたが、本案件に関係する事項は何ら通報されていなかった。東芝の規模を考慮した場合には、東芝の内部通報制度を利用した現状の通報件数は多いとは言えず、何らかの事情で内部通報制度が十分に活用されているとはいえないと推測される。

 また、今回の工事進行基準案件に関する不適切な会計処理の問題が発覚することとなる端緒が、証券取引等監視委員会による開示検査であったとのことであり、東芝の内部通報制度等による自浄作用が働かなかったのは、会社のコンプライアンスに対する姿勢について、社員の信頼が得られていないことも一因であると思われる。

 東芝では2014年度まで年間数十件ほどの内部通報しかなく、規模の割には少なかった。しかし、2015年に粉飾決算が発覚して同年7月に社長、会長らが退陣。監査委員会ホットラインを新たに設けた。すると、2015年度の内部通報制度利用は263件と前年度の88件の3倍増となった。労働組合への内部通報で新たに不適切会計が発覚する事例もあったという。

 もっと激増したのは、東芝の粉飾決算について独自の報道を精力的に展開した日経ビジネス編集部への内部告発だった。2015年8月初旬、同誌は誌面やウェブサイトを通じて東芝関係者に情報提供を呼びかけ始めた。

 東芝の不正会計問題に関連して、日経ビジネスオンラインでは企業のコンプライアンス(法令遵守)についてアンケートを実施しています。通常の方法では達成不可能な業務目標(チャレンジ)が強制されてきた東芝と同様な経験をお持ちではないでしょうか。率直なご意見をお聞かせください(注15)

 日経ビジネスで電機業界の担当として東芝問題を取材した小笠原啓記者の著書によると(注16、注17)、呼びかけに応えて800人以上から情報が寄せられた。その中には「東芝の上層部に深く食い込まなければ知り得ないような情報もあった」という。

 確認できた情報は、日経ビジネスオンラインで連日報じた。これが共感を呼んだのだろう。取材班に寄せられる情報の質と量が、加速度的に高まっていった。(http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/070600052/071200004/?P=2)

 責任追及があいまいなまま幕引きを図る姿勢に反発したのだろう。日経ビジネス編集部に寄せられる東芝社員や関係者の内部告発の数や内容が、エスカレートしていったのだ。(小笠原啓 『東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇』 日経BP社、2016年、117ページ)

 東芝社内の中枢でやりとりされた電子メールの記録も提供された。夜の会議室で机をバンバンと激しくたたきながら部下の課長に「本当にやる気があるの。頭を使えよ」と詰め寄る上司の声を録音した音声も提供された。こうして日経ビジネスは特ダネを連発していった。

化血研

拡大化血研の理事長は記者会見の冒頭で頭を下げた=2015年12月2日午後10時2分、東京・霞が関の厚労省、白井伸洋撮影
 血液製剤メーカーの化学及血清療法研究所(化血研、熊本市)でも2015年、製剤の製造をめぐる長年の不正が監督官庁への内部告発で明るみに出た。

 化血研が設けた第三者委員会の調査報告書によれば(注18)、化血研では長年、薬事法に基づく国の承認のおりた方法とは異なる方法で血液製剤を製造し、販売していた。ウソの製造記録を作って当局の検査をごまかし、不正を続けていた。1995年、留学帰りの「H氏」の呼びかけで不正の解消に向けたプロジェクトが発足した。しかし、不正はなくならなかった。

 2014年5月、当局の立ち入り調査があった。製造部長の「H氏」は次のように考え、同年10月、担当常務に問題を報告した。

 立ち入り調査は内部告発に基づくものである可能性が高く、内部告発のリスクを考えれば、これ以上、血漿分画部門だけで不整合の問題を抱えきることはできない

 しかし、常務は不正解消への具体的な指示を出さなかった。

 その翌年、2015年5月、匿名の投書が厚労省に届いた。朝日新聞の報道によれば(注19)、化血研の職員を名乗り、法令違反に「心が痛む」と書いてあったという。
 同月28、29日、化血研への立ち入り調査が抜き打ちで行われた。投書の内容を重点的に調べると、不正を確認できたという。

 化血研では、公益通報者保護法が2006年4月に施行されたことを受け、翌2007年3月1日付で内部通報窓口「化血研ヘルプライン」を設け、同時に「公益通報者保護規程」を定めた。窓口は当初、本社スタッフ部門内にあったが、2014年10月に法務・コンプライアンス部に移管した。ヘルプライン連絡先を記載した携帯カードを作成して全従業員に配り、また、外部通報窓口も設置した。しかし、血液製剤の不正製造に関する通報はなかった。
 これについて、化血研は「経営のトップも関与していた点と経営の根幹に関わる重大事案であったことから、内部での対応は困難であると判断され、当局に内部告発されたものと推察している」(広報室)という。

 化血研の広報室によれば、内部通報の件数は、2014年度まで年に数件程度しかなかったが、2015年度は28件に増え、2016年度は12月末までの9カ月で31件と、さらに増えているという。「これまで重大なコンプライアンス違反に関する通報はないが、業務上の問題点・疑問点等に関する相談が寄せられるようになり、コンプライアンスに対する従業員の問題意識が高まっていることが推察される」という。

オリンパス

拡大会社との和解について記者会見するオリンパス社員の浜田正晴さん=2016年2月18日午後、東京・霞が関で
 精密機械メーカーのオリンパス(東京都新宿区)では2008年以降、内部通報制度に対する多くの社員の信頼を喪失。現在、社外のジャーナリストへの内部告発が続発している。

 オリンパスの現役社員・浜田正晴さんは2007年、会社の内部通報制度「コンプライアンスヘルプライン」を利用して、上司の不正の疑いを会社のコンプライアンス室に知らせた。ところが、コンプライアンス室長は浜田氏が通報者だと当の上司や人事部長に知らせてしまい、浜田さんは閑職に追いやられた。2008年、浜田さんは会社と上司を相手に提訴した。

 のちに粉飾決算事件を調べるために設けられた第三者委員会がまとめた調査報告書によると(注20)、オリンパスではそのころ、コンプライアンス室や監査役会から、コンプライアンス室の窓口に加えて、外部にも通報窓口を設置する案が複数回にわたって提案されていた。しかし、副社長だった山田秀雄氏が反対し、実現しなかった。

 山田氏は、社長らとともにそのころ粉飾決算を主導し、のちに逮捕・起訴されて有罪判決を受ける当人だった。要するに、犯人が内部通報制度を骨抜きにした格好だった。第三者委員会は「内部通報制度本来の機能(不正に関する社内自浄機能)は著しく損なわれていた」と結論づけた。

 通報内容が(中略)経営者を含むコンプライアンス室の上長に関連する事象であれば、通報者は通報をためらうことが予想される。したがって、通報者の保護や、通報に対する適切な対応という観点から、より独立性の高い機関、たとえば社外役員や、監査役、外部機関(法律事務所等)に直結した通報窓口も併せて設けるべきである。

 浜田さんの受けた仕打ちを見て、別のオリンパス社員・深町隆さん(筆名)は「会社の内部通報制度は利用するものではない」と感じ、抱えていた疑念に関する資料を外部のジャーナリストに提供することにした。深町さんは社内で、2008年2月22日の取締役会の資料を目にする機会があり、そこに書いてあった異常な支出に「特別背任に問われかねない案件だ」と直感し、それをどうすればいいのかと以前から悩んでいたのだ。

 2011年7月、1千億円を超える不正経理の疑惑が、深町さんの内部告発に基づき、月刊誌ファクタで報じられた。

 オリンパスの社長だったマイケル・ウッドフォードさんはそれを読み、その責任を社内で追及。会長や副社長に辞任を迫った。すると、10月14日、社長を解任された。その日以降、ウッドフォードさんは社内の資料を各国の新聞記者らに提供して疑惑を内部告発し、オリンパスの株価は急落した。会社が粉飾決算を公表したのは11月8日になってからだった。

 オリンパスは2012年に経営陣を一新したが、浜田さんの苦難はその後も続いた。閑職への異動を無効とする判決が2012年6月に最高裁で確定したのに、それでも浜田さんは原職に復帰できなかった。そのため再度提訴せざるをえなくなった。2016年2月、会社から1100万円の支払いを受けるなどの内容で和解したが、今も浜田さんは元の職場に戻れない。

 社長を解任されたウッドフォードさんも、内部告発の正しさが証明された後、一時は社長への復帰を目指して運動したが、思うように受け入れられず、断念。復職できないまま、今に至っている。

 公益通報者保護法は、「公益通報をすれば不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合」には報道機関など外部に内部告発しやすくなるように制度が設計されている。そのためなのか、オリンパスでは、報道機関への内部告発や資料提供がその後も絶えない。

東洋ゴムの不正では「内部通報のリスク」を検討

 不正に蓋をして隠しておきたい人にとっては、内部通報によって不祥事が公になることは「リスク」そのものだ。

拡大頭を下げる東洋ゴム工業の社長(左)ら=2015年3月13日、大阪市北区
 東洋ゴム工業(大阪市西区)の免震装置のゴム製部品に性能データの偽装があったことは2015年3月13日、明るみに出た(注21)

 東洋ゴムの依頼を受けた社外調査チーム(代表弁護士=小林英明弁護士(長島・大野・常松法律事務所))が2015年6月19日付でまとめた調査報告書によれば(注22)、発覚するきっかけは、東洋ゴムに2012年8月に入社し、子会社の東洋ゴム化工品に配属された社員が抱いた漠然とした疑問だった。性能検査データに趣旨不明な補正が行われており、それについて同僚に質問しても、納得できる回答がなかった。

 翌2013年夏ごろ、その社員は、上司にあたる東洋ゴム化工品の開発技術部長に「出荷時の性能検査で技術的根拠が不明な補正が行われている」と報告した。しかし、具体的な指示はなかった。2014年2月ごろには技術・生産本部長や東洋ゴム化工品の社長にも同様の報告をした。

 疑問は解消されないまま、やがて確信へと変わっていった。2014年7月8日、東洋ゴムの常務に「大臣認定から外れている疑いのある製品が出てきた」との報告があった。9月12日、東洋ゴムの執行役員らが弁護士に相談した。「出荷停止にした方がよい」との助言があった。

 2014年10月23日午前、社外調査チームの調査報告書によれば(注23)、東洋ゴムの会長、社長らが出席して東洋ゴム本社で会議が開かれ、「リコールしない場合のリスクとして、内部通報により本件が公になること」が議論された。「想定される通報者」として「会社に不満をもつ社員」などを例示して「通報者の想定リスト」を作成し、事前説明を行うこと、「内部通報があった場合の対応シナリオ」を策定しておくことまで提案された。

 監督官庁の国土交通省によって問題が公表されたのはその5カ月後のことだった。

 東洋ゴムの内部通報制度は、社内の監査部だけでなく、顧問弁護士や外部の専門業者でも通報を受け付ける仕組みになっていた。形の上では比較的きちんと整った制度だった。実際に内部通報制度に基づく通報で問題が発覚して解決した事例も複数あった。しかし、ゴム製品の性能偽装については内部通報制度の利用はなかった。社外調査チームは「技術者の心理としては、技術的な観点から結論が出ていない段階で、内部通報を行うことについては心理的な抵抗があった」と分析し(注24)、次のように提言した(注25)

 内部通報制度を抜本的に改革し、内部通報を義務化することを提言する。具体的には、従業員が法令違反に該当する事実など一定の重要な事実について認識した場合には、自身の関与の有無にかかわらず、原則として、内部通報窓口への通報義務を課することとするものである。その場合、直属の上司への報告という一事をもって、当該義務を履行したと評価するべきではなく、当該上司が必要な対応を十分に実施しない場合には、依然として従業員は通報義務を負い続けると設計することが必要である。

 加えて、内部通報の間口を広げ、幅広く情報を収集するために、匿名の通報、他部門の業務に関する通報、退職者その他社外の者からの通報、確証のない段階での通報、技術的な疑問等の相談に近い内容の通報を促進することとする。また、積極的に通報等の行動を起こしにくい従業員もいることを想定し、匿名のアンケートも頻繁に実施することも一案といえる。

 東洋ゴムの広報担当者の説明によると、2014年10月23日の会議で提案された「内部通報者の想定リスト」が実際に作成された事実は確認されていない。提案はただちに却下されたという。社外調査チームから提案があった「通報の義務化」については、2016年2月、就業規則を改訂して「職場で非違行為を見聞きしたときには通報すること」と定め、実現しているという。

会計不正が内部通報で発覚したが…

 内部通報が機能しているように見える不祥事もある。

 2016年、ジョイフル本田、住江織物、長野計器といった上場企業で、子会社による不適切な会計処理が内部通報によって判明した。

 しかし、それら企業も結局、再発防止策として内部通報制度の充実を図らねばならない結果となった。

ジョイフル本田

 ホームセンターのジョイフル本田(茨城県土浦市)では2015年12月26日、子会社のホンダ産業の従業員から「棚卸業務に関し不適切な会計処理がなされている」との内部通報を受けた。年明けの1月3日から通報者らへの事情聴取を進め、1月14日、西村あさひ法律事務所の錦織康高弁護士を委員長、専務取締役管理本部長を副委員長にして調査委員会を設けた。

 調査委員会は2月17日、調査報告書をまとめた。各店舗で期末に値札を張り替えて売価を引き上げたり、棚卸原票の数字を改ざんしたりして資産を過大に計上するなど「不適切な会計処理」があったと結論づけた。調査委員会は再発防止策の一つとして「内部通報制度の適切な利用の促進」を提言した(注26)

 当社の内部通報制度は子会社も適用対象としているが、ホンダ産業の従業員に対する研修、事務所・店舗でのポスター掲示、パンフレット配布等を通じて、内部通報制度の目的と意義を周知徹底し、利用を促す。

 また、内部通報制度を利用した者が当該通報を行ったことを理由に不利益な取り扱いを受けることがないように、通報者の異動、人事評価及び懲戒等において通報の事実を考慮することを禁止し、その旨をホンダ産業の社内で周知徹底する。

 ジョイフル本田の広報担当者によれば、問題発覚のきっかけとなった「内部通報」は、内部通報制度を直接利用しての通報ではなく、親会社が「子会社の管理」の一環でさまざまな確認やチェックをしていく過程で話を把握し、「内部通報」として扱ったものだったという。

住江織物

 3月4日、内装材メーカー、住江織物(大阪市中央区)の米国子会社で財務諸表監査を担当する会計事務所のデロイトにその米国子会社の元従業員から「内部通報」があった。不良品として評価した在庫を正規品に格上げする評価のし直しをしている、という内容だった。

 親会社の住江織物は、社内調査委員会や第三者委員会を設けて調査。内部通報の対象となったもの以外にも広げて米国子会社の会計処理を調べ、「不正な会計処理が行われていた」と判断(注27)。10月末、決算を訂正した。

 外部の会計事務所への通報ではあったが、会計監査人も会社の統治機構の一部であり、住江織物の幹部によると、「内部通報」と位置づけているという。通報者がだれなのかは「通報者の保護のため」という理由で同社にも知らされていない。通報者は匿名を希望したと聞いているという。

 同社の社内調査委員会は再発防止策の一つとして、「内部通報(企業倫理ホットライン)制度の再構築」を提言した(注28)

 社内の不正や不祥事を早期に発見するため、自発的に企業内風土が正しい方向性に向く仕組みとして、内部通報制度を充実させていきます。J-SOX全社統制を導入している海外子会社にはホットライン内部通報制度を導入していますが、今まで通報実績が無く、実際に機能しているとは言いがたい状況でした。

 今後、制度の趣旨やその通報先を従業員に周知徹底すること、および、通報者保護を目的に通報者に不利益を生じていないか一定期間のモニタリングを実施すること等の方法により内部通報制度への信頼性を高め、また、各国の習慣や国民性を十分調査・検討した上で、内部通報制度を効果的に運用していきます。

長野計器

 圧力計測器メーカー、長野計器(東京都大田区)の子会社のフクダでは2016年7月、複数の従業員から内部通報を相次ぎ受けた。その結果、10年以上も続いてきた会社ぐるみの粉飾決算が発覚した。

 親会社の長野計器がまとめた調査報告書や同社の幹部の説明によると、7月1日、親会社で法務・コンプライアンスを担当していた役員がフクダに新しく着任したところ、着任の3日後にあたる7月4日、「架空売上計上による売掛金残高が2億円程度ある」との内部通報を受けた。その翌々日にも別の従業員から「架空仕入が存在する」との内部通報を受けた。これらを受けて調査し、親会社に報告した。11月1日、子会社の社長と品質保証部長が責任を問われて辞めさせられ、以降、正しい決算に直された。

 6月まで内部通報制度が機能しなかったのには理由があった。社内調査結果によれば、フクダは親会社から外部弁護士を通報先窓口とするよう促されたのに、あえてそれを自社の管理部のみとするマニュアルを制定。そのマニュアルも一般社員に配布しなかった。

 「今まで、通報しなければいけない事案を抱えていた従業員が役員派遣と同時に通報した」――。社内調査を担当した長野計器の幹部はそうとらえる。派遣された役員のコンプライアンス部門の経歴はグループ内で知られており、子会社の社内に「彼に通報すれば親会社が動いてくれる」という期待があったのではないかと見ているという。

 制度を運用する会社幹部への信頼の差で、制度が機能するかどうか分かれた格好だ。

 長野計器の社内調査チームは再発防止策の一つとして、子会社各社における「企業倫理通報制度(ヘルプライン制度)」の確実な運用について徹底させるとの方針をまとめた(注29)。フクダでも、外部の法律事務所を通報の窓口に加えることになった。

内部通報制度ガイドライン

 内部通報制度が機能不全に陥りがちとなっている実情について、消費者庁は2015年6月、「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」を設け、以後、議論を重ねた。それに基づき、「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」を作成し、2016年12月9日、公表した。

 公益通報者保護法が2006年に施行されるのを前に、消費者庁の前身の内閣府国民生活局は2005年7月に「公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン」を制定し、それに基づき企業に内部通報制度の整備を働きかけてきた。これを改正した。内容が大幅に増えており、名称も変わり、実質的には新たな制定といえる。

 次のような内容が盛り込まれている(注30)

  • 拡大東芝本社ビル=東京都港区芝浦
     経営トップ自らが、経営幹部及び全ての従業員に向け、例えば、
    ▽内部通報制度を活用した適切な通報は、リスクの早期発見や企業価値の向上に資する正当な職務行為であること
    ▽内部規程や公益通報者保護法の要件を満たす適切な通報を行った者に対する不利益な取扱いは決して許されないこと
    ▽通報に関する秘密保持を徹底するべきこと
    ▽利益追求と企業倫理が衝突した場合には企業倫理を優先するべきこと
    ▽上記の事項は企業の発展・存亡をも左右し得ること
     ――について、明確なメッセージを継続的に発信することが必要である。
  •  通常の通報対応の仕組みのほか、例えば、社外取締役や監査役等への通報ルート等、経営幹部からも独立性を有する通報受付・調査是正の仕組みを整備することが適当である。
  •  企業グループ全体やサプライチェーン等におけるコンプライアンス経営を推進するため、例えば、関係会社・取引先を含めた内部通報制度を整備することや、関係会社・取引先における内部通報制度の整備・運用状況を定期的に確認・評価した上で、必要に応じ助言・支援をすること等が適当である。
  •  通報の受付や事実関係の調査等通報対応に係る業務を外部委託する場合には、中立性・公正性に疑義が生じるおそれ又は利益相反が生じるおそれがある法律事務所や民間の専門機関等の起用は避けることが必要である。
  •  実効性の高い内部通報制度を整備・運用することは、組織内に適切な緊張感をもたらし、通常の報告・連絡・相談のルートを通じた自浄作用を機能させ、組織運営の健全化に資する。経営幹部及び全ての従業員に十分にそれを周知することが重要である。
  •  通報者や調査協力者の協力が、コンプライアンス経営の推進に寄与した場合には、通報者等に対して、例えば、経営トップ等からの感謝を伝えることにより、組織への貢献を正当に評価することが適当である。
  •  法令違反等に関与した者が、自主的な通報や調査協力をする等、問題の早期発見・解決に協力した場合には、例えば、その状況に応じて、当該者に対する懲戒処分等を減免することができる仕組みを整備することも考えられる。

 消費者庁によると、「建前ではない経営トップの本気度とぶれない姿勢」が重要であると考え、「経営トップの責務」の項を新設した。一方で、経営トップ自身が関与する企業不祥事も続発しているため、社外取締役や監査役などへの通報ルートの整備も盛り込んだ。

拡大「事業者の内部通報トラブル」表紙
 顧問弁護士を通報窓口とすることを避けるべきだとも示唆されている。これも企業の実務に大きな影響を与えそうだ。
 2016年度の消費者庁の調査によれば、社外に窓口を設けている事業者のうち、49%(529事業者)が顧問弁護士にそれを委託していた。顧問ではない弁護士に委託しているのは22%、専門会社に委託しているのは15%だった。
 東京弁護士会の公益通報者保護特別委員会が2016年に出版した書籍『事業者の内部通報トラブル』(法律情報出版)では、顧問弁護士はどうしても会社経営者に近い存在であるように通報者の側から見えてしまうこと、通報内容の当否について会社と通報者の見解が対立する場合に利益相反の問題が生じることを指摘。「通報促進という観点を重視するならば、顧問と外部窓口の兼任はできるだけ避けたほうが良いであろう」と結論づけており、消費者庁としてもこれを追認したといえる。

 内部通報者自身が通報の対象となった不正に関わっていた場合に処分を減免する「社内リニエンシー」制度の導入も示唆されている。2016年の消費者庁の調査に「内部通報制度に関する規程を整備している」と回答した1468事業者のうち「社内リニエンシー」制度を定めているのは11.9%だった。今後、さらに普及しそうだ。

内部通報の保秘の徹底

 新たなガイドラインの制定にあたって消費者庁がもっとも力を入れたのは、内部通報に関する秘密の保持の徹底だ。制度への信頼を高め、制度がより機能できるようにするためだ。

 ガイドラインは「通報者の所属・氏名等が職場内に漏れることは、それ自体が通報者に対する重大な不利益になる」と指摘。だれであろうと、通報者を探索してはならないと明確にすることを求めている。また、「当該事案が通報を端緒とするものであること」も含め通報者の特定につながり得る情報は、通報者の書面やメールによる明示の同意がない限り、職場で開示しないよう求めている。

 調査の端緒が通報であると関係者に気取られないようにするため、たとえば、定期監査と合わせて調査したり、該当部署以外の部署にもダミーの調査を行ったり、核心部分ではなく周辺部分から調査を始めたりするなどの工夫も求めている。

制度整備義務を法定

 ガイドラインに加えて、公益通報者保護法に内部通報制度の整備を義務づける条文を置くことも、消費者庁の検討会で提言されている。

 公益通報者保護法にはこれまで、企業の内部通報制度に関する規定がない。同法の趣旨に従って内部通報にきちんと対応するためのガイドラインを制定し、消費者庁がその実施を呼びかけるにとどまる。強制力がないだけでなく、法的根拠も希薄だった。このため、消費者庁の検討会では「内部通報制度を置くべき根拠を法の中に取り入れておくべき」との意見が出ていた。

 検討会は、次のような内容の最終報告書をまとめた(注31)

 公益通報者保護法の施行から10年以上が経過しているにもかかわらず、制度に関する認知度は必ずしも高いものではないことを考慮すると、内部通報制度等の整備に関する義務を法定してその周知を図るとともに、通報の活性化を図る必要性は一定程度あると考えられる。したがって、事業者が内部通報制度等を整備することに関する定めを法に設ける方向で検討を行う必要がある。

 企業不祥事が起きるたびに問題となる内部通報制度に法的な位置づけを与える方向性が検討会の最終報告書に示されたといえる。

拡大消費者庁の検討会の第8回会合=2016年2月10日、東京・永田町で
 内部通報制度整備義務に違反した事業者については、報道機関など外部への内部告発の保護要件が満たされやすくなるようにする効果を定める方向も打ち出されている(注32)。内部通報制度がない場合や、制度があっても実質的に機能していない場合は、報道機関など外部に内部告発した人が保護される。つまり、実効性ある内部通報制度が整えられていない職場では、報道機関に内部告発しやすくなる。このような制度設計を採ることで、形だけではない本物の内部通報制度の整備を促す狙いがある。

 検討会の最終報告書は、内部通報に関する事業者側の守秘義務や違反への行政的な制裁措置を検討する必要性も提言している。ただし、刑事罰導入の提言は見送り、「引き続き検討」とするにとどまっている。

 オリンパス社員の浜田さんは、自身の経験から、違法な報復に罰則を定めるべきだと消費者庁に求めてきた。検討会の結論について、浜田さんは「機能するかどうかという視点からすると、現実的な効用はあまりない」と不満だ。「さらに議論して刑事罰を入れてほしい」と話している。

 内部通報制度に詳しい山口利昭弁護士(大阪弁護士会)は次のように話している。

 内部通報制度は、パワハラなど労務上の問題については比較的機能しているが、重大な企業不正についてほとんど機能していない。制度があっても、社員の人たちがそれを信頼しておらず、通報したら報復にあうのではないかと疑い、萎縮しているからだ。まずは企業自身が、制度を機能させることにメリットがあると理解し、制度に対する社員の信頼を高めていくことが必要だ。

 ▽注1: http://www.caa.go.jp/planning/koueki/chosa-kenkyu/files/130625zentai_2.pdf#13
 ▽注2: http://www.caa.go.jp/planning/koueki/chosa-kenkyu/files/chosa_kenkyu_chosa_170104_0002.pdf#18
 ▽注3: http://www.caa.go.jp/planning/koueki/chosa-kenkyu/files/h27kouekisekou_1.pdf
 ▽注4: http://www.jpx.co.jp/rules-participants/rules/revise/nlsgeu000000x597-att/hpnewold.pdf#12
 ▽注5: https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2714052900002.htmlhttps://www.sec.gov/rules/final/33-8220.htm#procedureshttps://www.sec.gov/about/laws/soa2002.pdf#32https://www.law.cornell.edu/uscode/text/15/78j-1
 ▽注6: http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1323831
 ▽注7: http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1336752#22
 ▽注8: http://www.takada.co.jp/docs/news160309ue2%40a94xeeytepza.pdf、http://www.takada.co.jp/docs/news160329b-eeytepza6dop.pdf、http://www.takada.co.jp/ir/2015.html
 ▽注9: http://www.takada.co.jp/docs/news16070805.pdf#112、http://www.takada.co.jp/ir/2016.html
 ▽注10:http://www.hohsui.co.jp/pdf/280323info.pdf
 ▽注11: http://www.hohsui.co.jp/pdf/280729info.pdf#17
 ▽注12: http://www.sem.co.jp/news/news/pdf/news181.pdf
 ▽注13: http://www.sem.co.jp/news/news/pdf/news182.pdf#13
 ▽注14: http://www11.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20150721_1.pdf#291
 ▽注15: http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/073000056/
 ▽注16: 小笠原啓 「800人の証言で掘り起こす東芝の“闇” 内部告発が暴いた「粉飾の原点」(後編)」『日経ビジネスオンライン』、2016年7月15日、http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/070600052/071200004/
 ▽注17: 小笠原啓 『東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇』 日経BP社、2016年、19、21、22、28、68、117ページ
 ▽注18: http://www.kaketsuken.or.jp/kaketsuken-press/894-2015-12-06-06-30-35.html
 ▽注19: 「化血研の血液製剤不正、内部告発で発覚」、朝日新聞夕刊、2015年12月3日
 ▽注20: http://www.olympus.co.jp/jp/common/pdf/if111206corpj_6.pdf#143
 ▽注21: http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000539.html
 ▽注22: http://www.toyo-rubber.co.jp/pdf/news/2015/150622.pdf#259
 ▽注23: http://www.toyo-rubber.co.jp/pdf/news/2015/150622.pdf#270
 ▽注24: http://www.toyo-rubber.co.jp/pdf/news/2015/150622.pdf#286
 ▽注25: http://www.toyo-rubber.co.jp/pdf/news/2015/150622.pdf#298
 ▽注26: http://www.joyfulhonda.info/wp-content/uploads/fa481c0d16dc61b7cb3597a19ae24d02.pdf#26
 ▽注27: http://suminoe.jp/ir/upload/shoshutsuchi_20161205.pdf#3
 ▽注28: http://suminoe.jp/news/upload/20161104_oshirase_saihatsuboshi.pdf#17
 ▽注29: http://www.naganokeiki.co.jp/content/files/PR_files/H28.10.14_newsrelease.pdf#22
 ▽注30: http://www.caa.go.jp/planning/koueki/minkan/files/minkan_shikumi_161213_0002.pdf
 ▽注31: http://www.caa.go.jp/planning/koueki/chosa-kenkyu/files/koujou_161215_0003.pdf#147
 ▽注32: http://www.caa.go.jp/planning/koueki/chosa-kenkyu/files/koujou_161215_0003.pdf#27
 ▽注:「化血研の広報室によれば」で始まる段落に当初あった「経営陣の一新された後の2015年度」という記述は誤りで、「経営陣の一掃は2016年6月19日」でしたので、2017年1月24日に修正しました。

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筆者

奥山 俊宏

奥山 俊宏(おくやま・としひろ) 

 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。2013年から朝日新聞編集委員。2022年から上智大学教授(文学部新聞学科)。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。近刊の著書に『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実 改正公益通報者保護法で何が変わるのか』(朝日新聞出版、2022年4月)。
 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。 「後世に引き継ぐべき著名・重要な訴訟記録が多数廃棄されていた実態とその是正の必要性を明らかにした一連の報道」でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞を受賞。
 そのほかの著書として『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)、『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。
 ツイッターはhttps://twitter.com/okuyamatoshi
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※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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