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「パナマ文書」調査報道で日本を担当したイタリア人記者が著書出版

奥山 俊宏

 租税回避地の舞台裏を明るみに出した「パナマ文書」の調査報道で日本の記者と協働したイタリア人ジャーナリストのシッラ・アレッチさん(34)が1月18日、初めての単著を双葉社から出版した。イタリアで生まれ、日本で調査報道と出会って記者となり、今は米国に住む。日本語でまとめられた新著の中では、より良いジャーナリズムのために、国境や組織、文系・理系の別など壁を乗り越えて知恵と経験を持ち寄り、協働することの大切さを説いている。

▽この記事は2016年12月19日の朝日新聞「ひと」欄に掲載された原稿に加筆し、再構成したものです。

▽注:この原稿の筆者・奥山俊宏は「パナマ文書」の取材・報道にアレッチさんととともに参加しています。

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拡大『報じられなかったパナマ文書の内幕』表紙
 『報じられなかったパナマ文書の内幕』というのが新著の日本語タイトルとなっている。しか
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筆者

奥山 俊宏

奥山 俊宏(おくやま・としひろ) 

 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。2013年から朝日新聞編集委員。2022年から上智大学教授(文学部新聞学科)。2023年から「Atta!」編集人。

 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。 「後世に引き継ぐべき著名・重要な訴訟記録が多数廃棄されていた実態とその是正の必要性を明らかにした一連の報道」でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞を受賞。

 そのほかの著書として『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実 改正公益通報者保護法で何が変わるのか』(朝日新聞出版、2022年4月)、『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)、『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。

 ツイッターはhttps://twitter.com/okuyamatoshi

 ご連絡はokuyamatoshihiro@gmail.com または okuyama-t@protonmail.comに。メールの内容を暗号化する場合はPGPで。パブリックキーのIDは7D2BAD43550EAD96

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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