2017年01月21日
ドナルド・トランプ米大統領の就任式典実行委員会で副委員長を務めるシェルドン・アデルソン氏が経営するカジノ経営会社「ラスベガス・サンズ」の幹部だった複数の人物が、中国政府幹部らとの政治的なコネを売りにするビジネス・コンサルタントに6千万ドル(数十億円)を支払い、その一部が使途不明になっている。大統領就任式を翌日に控えた19日、米司法省が発表した。米司法省は海外腐敗行為防止法(FCPA)違反の疑いで2011年から捜査。同日、同社が刑事罰として696万ドル(約8億円)を払い、今後の捜査に協力する一方、司法省は同社を不起訴とすることで両者の合意が成立した。
こうした支払いが始まって間もなく、同社の財務部門の社員が、透明性の欠如や手続き違反を問題視するようになった。2007年9月15日にこの社員が役員に送ったメールでは、146万ドルの支払いに疑問が提起された。「なぜこんなに多くの質問をするのかというと、私は、北京で別の経緯があると聞いているからです。それが本当かどうか分からないので、このメールにそれを書くのははばかられますが」
ラスベガス・サンズ社の最高経営責任者で会長でもあるシェルドン・アデルソン(Sheldon Adelson)氏のファミリーが所有するラスベガスの地元紙、ラスベガス・レビュージャーナルの記事によれば、司法省の捜査は2011年に始まったが、これまでのところ、賄賂性を裏付ける証拠は見つからなかった、という。
米大統領選で当選を決めたトランプ氏は、2016年11月15日、大統領就任式典実行委員会(Presidential Inaugural Committee)のメンバーを発表した。アデルソン氏の名前が副委員長としてその中にあった。
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