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トラブルから身を守る『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』

『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』
 2017年3月1日発行
 著者:石田眞、浅倉むつ子、上西充子
 発行:旬報社
 定価:920円+税

『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』表紙
 「この春から新社会人」
 「進学を機にアルバイトを始めた」
 この時期、期待を胸に新たな生活を始めた若者は多くいるだろう。しかし、そんな期待が裏切られるトラブルも後を絶たない。パワハラ、サービス残業、ブラックバイトなどたくさんの落とし穴がある。そんなトラブルから身を守るための手助けをしてくれるのがこの一冊だ。

 Q&A形式で構成されていて、アルバイト、インターンシップ、就職活動といった若者にとって身近な労働にまつわる疑問に、専門家が詳しく答えてくれる。
 例えば、コンビニのアルバイトでノルマを課されたとき、そのノルマを守れなかったら、自費で負担する必要はあるのだろうか。内定の辞退を求められたり取り消しを通告されたりした場合、どうしたらいいのだろうか。そんな疑問に本書は、法的観点を交えつつ、誰に相談すべきかなども提示しながら、分かりやすく解決の手立てを示してくれる。

 Q&Aに加え、若者にとって身近なテーマについてのコラムもあり、「電通の過労自殺問題」や、学生アルバイトの不適切な書き込みによる「SNSの炎上」といった話題に、専門家の立場からの詳しい解説がなされている。

 「ネットでダメって聞いたけど、本当のところはどうなの?」
 「これ、ニュースで見たけど、問題じゃないの?」
 アルバイトとして働いているとき、あいまいではあるものの、賃金や待遇などに何となく違和感を持っているという若者はいるはずだ。本書を読めば、そんな「あいまいな疑問」が、「クリアな問題」として見えてくるだろう。
 「学生を雇いたいんだけど、法律をよく知らない」と悩んでいる雇用者にも、是非ご一読を願いたい。専門知識がなくても、誰もが分かりやすく理解できるのが本書の強みでもある。

 「悩んでいるけれど、誰に何を相談したらいいか分からない」
 そんな人は、思い詰める前に、まずは本書を読んでほしい。

(AJ編集部・富沢岳)