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バミューダ島など租税回避地ファイル1340万件「パラダイス文書」

奥山 俊宏

 北アメリカ大陸の東の大西洋にある英領バミューダ諸島やカリブ海の同ケイマン諸島などのタックスヘイブン(租税回避地)に設立された法人や組合に関する1340万件、1・4テラバイトに上る電子ファイルが流出し、南ドイツ新聞(独ミュンヘン)が入手した。非営利組織「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ、米ワシントン)を介して朝日新聞を含め67カ国、96の報道機関の記者ら382人がこれを共有し、その分析と取材に取り組んでおり、エリザベス英女王、鳩山由紀夫・元首相ら12カ国の現旧首脳14人の名前が見つかった。昨年4月に世界に衝撃を与えた「パナマ文書(Panama Papers)」に匹敵する規模で、各国政府の要人や大企業による租税回避地の利用の実態が分かりつつある。ICIJや各提携報道機関はこれらの電子ファイルを「パラダイス文書(Paradise Papers)」と名付け、5日(日本時間では6日午前3時)、一斉に報道を始めた。

■12か国の現旧首脳14人の名前

丘の上から見たバミューダ島=10月9日、野上英文撮影
 パラダイス文書は、

  1.  バミューダ島を発祥の地とする大手法律事務所「アップルビー(Appleby)」の内部文書680万件、
  2.  シンガポールの法人設立サービス会社「アジアシティ(Asiaciti Trust)」の内部文書56万6千件、
  3.  バハマ、マルタ、バルバドスなど19の国・地域(19 secrecy jurisdictions、Antigua & Barbuda, Aruba, Bahamas, Barbados, Bermuda, Cayman Islands, Cook Islands, Dominica, Grenada, Labuan, Lebanon, Malta, Marshall Islands, St. Kitts & Nevis, Saint Lucia, Saint Vincent, Samoa, Trinidad & Tobago, Vanuatu)の登記文書604万件

――からなる。

 1950年から2016年までの70年近くにわたって作成されてきたもので、ファイルサイズは全部で1.4テラバイト。

鳩山元首相=9月29日、那覇市で
 昨年4月に報道が始まった「パナマ文書」の電子ファイルは1150万件、2.6テラバイトだった。数え方が異なるので単純な比較はできないものの、パラダイス文書はパナマ文書より件数は2割弱ほど多く、サイズは半分強となっている。

 パラダイス文書は、パナマ文書と同じように、何者かによって南ドイツ新聞にもたらされ、ICIJがデータベース化。日本では朝日新聞、共同通信、NHKが昨年12月からその分析に取り組んでいる。3月27、28日に独ミュンヘンの南ドイツ新聞の本社で会議を開き、そこで報道の開始日を11月5日と決めた。合意に従い、記者たちは9月以降、関係者への直接取材を始めた。タックスヘイブンについて、イタリア語の「paradiso fiscale」など欧州大陸の主要言語で「税金天国」と呼んでいるケースが多いことから、プロジェクトに参加する記者がSNS型の秘密サイト「グローバル・アイハブ」を通じて話し合い、「パラダイス文書」と命名することを決めた。

 これまでの分析と取材の結果によれば、47カ国の現旧要職者・要人、127人の名前が見つかっている。このうちエリザベス英女王、鳩山由紀夫・元首相を含め14人はその国の現旧の首脳にあたる人物だ。パナマ文書に載っている公職者は、昨年4月4日に報道を始めた段階で 、140人で、このうち国家の現旧指導者は12人と把握されていた(報道開始後の取材で国家の現旧指導者の人数は14人に増えた )。このため、パラダイス文書はパナマ文書とほぼ同規模で租税回避地と政治家の関係を明らかにしているといえる。

 以下のリンク先は、ICIJが特設している鳩山氏に関するウェブページ。

 ウィルバー・ロス商務長官をはじめ、トランプ大統領の

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