2018年07月24日
138の島からなるバミューダ諸島の総面積は、東京都足立区とほぼ同じ53平方キロメートル。主要都市ハミルトンの1平方キロ四方の街に、何万というペーパーカンパニーが登記され、書類の上に存在している。そのうちの相当数が本国の利益の移転を受けて、本国の多国籍企業は租税回避の恩恵に浴しているとみられる。
国際的な非政府組織の「オックスファム」は2012年、バミューダに流れた利益は米企業だけで800億ドル(当時の為替レートで6兆4千億円)にのぼるとの試算を発表。2016年には、バミューダを「世界最悪」のタックスヘイブンの一つと認定した。
東京を出発してニューヨークで飛行機を乗り継ぎ、私がバミューダに来るのに22時間かかった。ほぼ一日がかりの移動で身体は疲れ切っているのに、頭は妙にさえている。飛行機の窓の外はもう真っ暗。「大西洋一美しい」とされるコバルトブルーの海もみえない。航空機や船舶が相次いで消息を絶つ「バミューダ・トライアングル」は「魔の海域」として知られる。ここに世界中から富が流れ込み、消えていくイメージが浮かぶ。
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください