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総務省審査会「財務省の対応で審議に多大な支障」、不開示決定取り消し答申

奥山 俊宏

 情報公開法に基づく開示請求に対して財務省が森友学園に関する電子メールなどの行政文書を不開示とした3件の決定について、総務省の情報公開審査会は9月28日、財務省の対応を「不当」と批判し、不開示決定を取り消すべきだと財務大臣に答申した。答申書には「当審査会の審議に多大な支障を生じさせた」と同省を非難する「付言」も盛り込まれた。決裁文書の改ざんや不当な文書廃棄が明るみに出て麻生太郎財務相は「財務省全体の意識改革を進め」ると誓った(注1)が、公文書管理を軽視する同省の体質がその後も改まっていない実情を指摘された格好だ。

拡大財務省の対応について「審査会の審議に多大な支障を生じさせ、処理の妨げとなるものである」と非難した総務省の審査会の答申書=2020年9月29日、東京・築地の朝日新聞東京本社で
 取り消しの答申が出たの
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筆者

奥山 俊宏

奥山 俊宏(おくやま・としひろ) 

 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。2013年から朝日新聞編集委員。2022年から上智大学教授(文学部新聞学科)。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。近刊の著書に『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実 改正公益通報者保護法で何が変わるのか』(朝日新聞出版、2022年4月)。
 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。 「後世に引き継ぐべき著名・重要な訴訟記録が多数廃棄されていた実態とその是正の必要性を明らかにした一連の報道」でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞を受賞。
 そのほかの著書として『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)、『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。
 ツイッターはhttps://twitter.com/okuyamatoshi
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※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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