2021年04月25日
新型コロナワクチンは当面は供給量が限られることもあり、優先順位が決められている。 「医療従事者(約480万人)」、「65歳以上の高齢者(約3600万人)」、「基礎疾患のある人(約1030万人)」、「高齢者施設などで働く人(約200万人)」、「60~64歳の人(約750万人)」、「それ以外の人」の順で接種することになっている。
接種の実施方法などは自治体の裁量に委ねられており、八王子市の場合は、4月5日に先着順で予約開始。同12日から21日まで市役所本庁舎ロビーなどで接種することはNHKの報道などで承知していた。
八王子市には接種対象の65歳以上の高齢者が約16万人。対して最初に市に届くワクチンはその約1%の1950人分しかない。しかも、先着順。電話かネットで予約をとることになっているが、当然、申し込みが殺到し、予約をとれる確率は低い。3月21日には2回目の緊急事態宣言も解除されていた。妻と顔を見合わせ、「こりゃ、とても無理だわ、接種はあとでいいよね」と通知の封も切らずに放置した。
事情が変わったのは、その数日後。妻が市内の知人から「うちは、受付開始の午前9時から手分けして電話やネットにかけまくるわよ」という話を聞いてきてからだ。
3月21日に緊急事態宣言が解除された後、都内の感染者数は緩やかに増加していた。変異株の感染拡大も伝えられ、いずれ、感染爆発になる心配を、テレビで専門家が連日、語っていた。
考えてみれば、私自身、重症化しやすいとされるハイリスクの高齢者だ。痛風、高血圧などで4種類の投薬治療を受けている。さらに、以前に比べコロナ自粛で機会が減ったとはいえ、仕事柄、必要な対面取材がある。取材相手に感染させても、させられても、周辺を含め迷惑をかける。ワクチンの効能が報道などで伝えられている通りなら、接種はリスクの軽減に一定の効果を期待できる。ならば、接種の機会があれば、さっさと打つべきだ、と考え直した。
「うちもやろうよ」
「やるか」
通知を開封して予約手続きを確認した。市の予約管理ウェブサイトにパソコンかスマホで必要事項を記入して申し込むか、コールセンターに電話で申し込むことになっていた。私がパソコン、妻が電話申し込みと分担を決め
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