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日本電気硝子の偽装請負を認め、同社に団体交渉応諾を命じた滋賀県労働委員会の命令書の抜粋

1 被申立人は、申立人に対し、平成20年12月15日付け「貴社の下請け、請負業者(株)リクオーに雇用されるY氏の直接雇用の申し入れならびに団体交渉申し入れ」と題した書面による団体交渉申入れのうち、被申立人のY氏に対する雇用契約の申込および被申立人が同人を協定・協約もなく労働基準法に違反し長時間残業をさせていたことについての責任問題を交渉事項とする団体交渉に応じなければならない。
2 申立人のその余の申立は棄却する。

理由

第1 事案の概要等

1 事案の概要 

 申立人滋賀県労連・滋賀一般労組(以下「申立組合」という。) に加入する組合員Y氏 (以下「Y組合員」という。) は、請負会社リクオー株式会社 (以下「リクオー」という。) に雇用され、被申立人日本電気硝子株式会社 (以下「被申立会社」という。) の滋賀高月事業場 (以下「高月事業場」という。) で勤務していた。被申立会社の100%出資の子会社であるニューマンパワーサービス株式会社(「以下「ニューマン」という。) は、被申立会社からガラス製品の加工・検査・梱包の業務を請け負っており、ニューマンが自ら業務を遂行する部分を除き、さらにリクオー等請負会社に業務を請け負わせていた。

 申立組合は、被申立会社とニューマンならびにリクオー等請負会社との関係は「請負」ではなく、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年7月5日法律第88号)」(以下「労働者派遣法」という。) にいう「労働者派遣」であるとして、平成20年12月15日付け「貴社の下請け、請負業者(株)リクオーに雇用されるY氏の直接雇用の申し入れならびに団体交渉の申し入れ」と題した書面により、被申立会社に団体交渉を申し入れた(以下「本件団体交渉申入」という。)。

 本件は、被申立会社が本件団体交渉申入に対し、同年12月25日付け回答書により、使用者にあたらないとして団体交渉に応じない旨回答したことが、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとして申し立てられた事件である。

2 請求する救済の内容(要旨) 

(1) 団体交渉応諾
(2) 謝罪文の掲示および手交

3 本件の争点

(1) 被申立会社は、本件団体交渉申入のうち、Y組合員の被申立会社およびニューマンへの直接雇用を求めたことについて、労働組合法第7条第2号における団体交渉応諾義務を負う「使用者」にあたるか。

ア ニューマンとリクオーとの間の請負契約は偽装請負であり、労働者派遣法上の労働者派遣か。

イ(ア) アにおいて偽装請負(労働者派遣法上の労働者派遣)と認められた場合、ニューマンはY組合員に対し雇用契約の申込義務を負うか。
 (イ) アにおいて偽装請負(労働者派遣法上の労働者派遣)と認められた場合、ニューマンとY組合員との間に黙示の労働契約が成立しているか。

ウ(ア) イ(ア)において雇用契約の申込義務が認められる、あるいは、イ(イ)において労働契約の成立が認められる場合において、ニューマンの法人格を否認し、被申立会社と同視することができるか。
 (イ) イ(ア)において雇用契約の申込義務が認められる、あるいは、イ(イ)において労働契約の成立が認められる場合において、被申立会社はY組合員の「雇用主」に準じると認められるか。

エ アにおいて偽装請負(労働者派遣法上の労働者派遣)と認められた場合、被申立会社とリクオーとの関係についても偽装請負であり、労働者派遣法上の労働者派遣か。

オ(ア) エにおいて偽装請負(労働者派遣法上の労働者派遣)と認められた場合、被申立会社はY組合員に対し雇用契約の申込義務を負うか。
 (イ) エにおいて偽装請負(労働者派遣法上の労働者派遣)と認められた場合、被申立会社とY組合員との間に黙示の労働契約が成立しているか。

カ イ(ア)およびオ(ア)において雇用契約の申込義務が認められた場合

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