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自治労共済の内部告発者を勝訴させた松江地裁判決の要旨

 本件は、被告との間で労働契約を締結していた原告が、被告が原告に対してした解雇は無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認と、解雇によって就労を拒否されていた期間の賃金等の支払を求めた事案である。

<争いのない事実等>

(1) 被告は、消費生活協同組合法に基づいて設立された消費生活協同組合である全日本自治体労働者共済生活協同組合(以下「自治労共済」という。)が、定款に基づいて各都道府県に設置した支部の一つであるが、被告自体も、権利能力のない社団といえる。

(2) 原告は、被告との間で、平成20年4月1日、労働契約を締結した。

(3) 被告は、原告に対し、平成21年8月12日、「被告事務局長のパソコンより、被告の情報を不正に取得したこと」を解雇事由として、即時解雇する旨の意思表示をした(以下「本件解雇」という。)。

<争点>

 本件解雇の有効性

<判断>

(1) 自治労共済は、自動車共済事業を行っているが、自治労共済の自動車共済事業規約によれば、自動車共済契約の目的とすることができる自動車は、自治労共済の組合員である共済契約者及びその配偶者並びに共済契約者又はその配偶者の同居の父母、子の所有する自動車に限られているのに、平成9年ころから、被告を含む15県支部において、共済契約者やその配偶者と同居していた子が別居した場合であっても、県内に居住している場合には被共済自動車とすることを認めるという取扱いが行われていた(以下、上記問題を「別居の子問題」という。)。

(2) また、自治体職員が当事者となっている交通事故について、事故当時には自動車共済契約がなかったにもかかわらず、被告の職員が、事故前の日付の加入申込書を受け付けて共済契約加入金の送金を受けるなどして、事故当時既に契約が成立していたかのように装い、共済金を支出するという出来事があった(以下、上記問題を「契約偽装問題」という。)。

(3) 被告の査定員として、上記別居の子問題と契約偽装問題を知った原告は、被告や自治労本部の上司らに通報したものの、十分な是正措置や再発防止策がとられていないと感じ

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