メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

日債銀の元会長ら有罪を言い渡した2007年3月14日の東京高裁判決

 上記 3名に対する各証券取引法違反被告事件について、平成 16年 5月 28日東京地方裁判所が言い渡した判決に対し、各被告人からそれぞれ控訴の申立てがあったので、当裁判所は、検察官吉田安志出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

 本件各控訴をいずれも棄却する。

理由

第 1 本件各控訴の趣意

 本件各控訴の趣意は、被告人窪田については主任弁護人小林芳郎、弁護人森岡政治、同吉本修二共同作成の控訴趣意書及び控訴趣意補充書に、被告人東郷については主任弁護人小澤優一、弁護人山田敏章共同作成の控訴趣意書、控訴趣意補充書(1)及び同(2)に、被告人岩城については主任弁護人有賀信男、弁護人大室俊三共同作成の控訴趣意書及び控訴趣意補充書にそれぞれ記載されているとおりであり、これらに対する答弁は、検察官鳥本喜章作成の答弁書に記載されているとおりであるから、これらを引用する。

第 2 はじめに

1 原判決は、株式会社日本債券信用銀行 (以下「日債銀」という。) の代表取締役会長であった被告人窪田、代表取締役頭取であった被告人東郷及び代表取締役副頭取であった被告人岩城が、共謀の上、日債銀の平成 10年3月期決算には、2205億 700万円 (100万円未満切捨て。以下この項において同じ。) の当期未処理損失があったのに、取立不能の虞があって取立不能と見込まれる貸出金合計 1592億 3300万円の償却又は引当をしないことにより、当期未処理損失を同額過少の 612億 7400万円に圧縮して計上した貸借対照表等を掲載するなどした同事業年度の有価証券報告書を、平成 10年 6月 29日、大蔵省 (現財務省) 関東財務局長に提出し、日債銀の業務に関し、重要な事項につき虚偽の記載のある有価証券報告書を提出したとして、被告人 3名を有罪とした。

2 本件各控訴の趣意(当審の各弁論要旨を含む。) は、要するに、(1)資産査定通達及び 4号実務指針 (以下、この 2つを併せて 「資産査定通達等」ともいう。) が唯一の「公正なる会計慣行」になっていたこと、(2)本件有価証券報告書に虚偽の記載があること、(3)被告人 3名に故意及び共謀があることを争い、被告人 3名を有罪とした原判決には、訴訟手続の法令違反、法令適用の誤り、事実誤認があるというのである。

3 しかし、原判決挙示の関係証拠を総合すると、原判決が虚偽記載有価証券報告書提出罪を認定して、被告人 3名を有罪としたのは正当であり、原判決が「事実認定の補足説明」の項で詳細に認定・説示

・・・ログインして読む
(残り:約75957文字/本文:約77018文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。