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日債銀の元会長らに無罪を言い渡した2011年8月30日の東京高裁判決の要旨

原判決を破棄する。
被告人らはいずれも無罪。

【理由】

(破棄の理由)

 差戻し前上告審判決は、差戻し前控訴審判決が、資産査定通達等によって補充される改正後の決算経理基準に従うことが唯一の公正なる会計慣行であったとし、税法基準の考え方に基づく会計処理を排斥したのは、事実を誤認して法令の解釈適用を誤ったものであるとして、同判決を破棄し、本件を当審に差し戻したところ、差戻し前控訴審判決と同様の判断をした原判決にも、同様の理由から、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認及び法令の適用の誤りがある。

(支援先に対する貸出金の償却及び引当)

 追加的な支援を予定している融資先は、法人税基本通達により「事業好転の見通しがない」とすることが適当でない取引先とされ、税法基準の考え方に基づく会計処理においては、その取引先に対する貸出金の償却及び引当はしないこととされていた。そのため、本件では、追加的な支援を予定している債務者に、第一コーポレーション、アポロリース、ハピネス等 13社及び東明地所等 5社が該当するかどうかが争われている。

 ここにいう追加的な支援は、金融機関に支援意思があり、支援が合理性を備えている必要があるが、支援の合理性は、貸出金を回収する金融機関についてみるべきものであるから、債務者を再建できるかどうかによって判断されるのではなく、金融機関にとって、多少なりとも貸出金の回収を改善するものであるかどうかによって判断されるべきである。

 そうすると、支援が合理性を備えているといえるためには、債務者が貸出金の全額を返済できるようになるまでの必要は

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