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特捜検察の内実

魚住昭

魚住昭 魚住昭(ジャーナリスト)

 20年ほど前、私は共同通信の検察担当記者だった。そのころの東京地検特捜部は日本最強の捜査機関として国民の絶大な信頼を得ており、私も熱烈な特捜ファンだった。しかし、10年ほど前から私は特捜の捜査のありかたに疑問を持つようになった。

 詳しい経緯は『特捜検察の闇』(文春文庫)に書いたので、それを読んでいただけるとありがたいのだが、検事たちは事件の真相を追求しているのではなく、あらかじめ自分たちが想定したストーリーに合わせて断片的な証拠を拾い集めているだけではないのか。そんな疑念が膨らんできたのである。

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