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 20年ほど前、私は共同通信の検察担当記者だった。そのころの東京地検特捜部は日本最強の捜査機関として国民の絶大な信頼を得ており、私も熱烈な特捜ファンだった。しかし、10年ほど前から私は特捜の捜査のありかたに疑問を持つようになった。

 詳しい経緯は『特捜検察の闇』(文春文庫)に書いたので、それを読んでいただけるとありがたいのだが、検事たちは事件の真相を追求しているのではなく、あらかじめ自分たちが想定したストーリーに合わせて断片的な証拠を拾い集めているだけではないのか。そんな疑念が膨らんできたのである。

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筆者

魚住昭

魚住昭(うおずみ・あきら) 魚住昭(ジャーナリスト)

ジャーナリスト。1951年、熊本県生まれ。一橋大法学部卒。75年、共同通信社入社。社会部記者として87年から司法クラブに在籍しリクルート事件などを取材。96年退社。司法分野や人物フィクションの執筆をしている。著書に『特捜検察』『渡邉恒雄 メディアと権力』『特捜検察の闇』『野中広務 差別と権力』(講談社ノンフィクション賞)など。2014年6月、WEBRONZA筆者退任

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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