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風景をがらりと変えるかiPad

川本裕司

川本裕司 朝日新聞記者

 6月半ばの夜11時前、帰宅するときに乗ったJRで、iPadの使い手と隣り合わせて座った。40歳前後の男性だ。左手をiPadの下にもぐらせ、縦書きの電子書籍を読んでいた。右手の人さし指を画面に触れ、ページをめくっていく。時折、ワイシャツの胸ポケットからスマートフォンを取り出しては、ツイッターを確認する。

 先行予約は2日後に中止、新刊文芸書を電子書籍として販売、店の前には長い行列……。事前から話題があふれ、5月28日に日本で発売されたiPadについての報道ぶりは破格だった。アップルジャパンの竹林賢広報部長は「すべてのテレビニュース、すべての新聞で大きく取り上げられ、報道量は予想以上だった」と話す。民放の朝の情報番組では、20分以上にわたって取り上げた例もあったという。

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