メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

日常生活の切実な苦しみに敏感な政策を

本田由紀

本田由紀 本田由紀(東大教授)

 誰もが覚えているように、昨年の政権交代劇は、民主党への積極的支持というよりも、自民党への絶望の表明という性格が強いものだった。「もういくらなんでも自民ではだめだ、自民へのおしおきという意味でも民主に一度やらせてみるか」といった感覚が広く日本を覆っていたように記憶する。その後の民主党政権は、事業仕分けや子ども手当支給などについては強い印象を残したものの(いずれも賛否両論含みであったが)、他は「政治とカネ」問題や普天間問題に足をとられ、はかばかしい成果を出すにはいたっていない。現在の人々の感覚としては、「やらせてみたが、うーん…どうなんだろう…」といったところだろう。

 その意味で、今回の参院選は、人々の中で「それでも、もうちょっとやらせてみるか」という気持ちと、「やっぱりだめだったな」という気持ちのいずれが強く出るかを占うものとなる。ただし後者の場合、「だめだから、じゃあ、えーっと、他のどこが…うーん…??」となることも目に見えている。このような情勢のもとでは、各党のマニフェストに含まれる個別政策がどれほど人々の切実なニーズに応えるものであるかが結果を左右することになる。

・・・ログインして読む
(残り:約751文字/本文:約1243文字)