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都心の女性にシェアハウスが人気のわけ

三浦展

三浦展 三浦展(消費社会研究家、マーケティングアナリスト)

 近年急速にシェアという言葉を耳にするようになった。クルマを所有せずにカーシェアリングするとか、ワンルームマンションを一人で借りるのではなく、3DKなどのマンションを複数の人でルームシェアするなどの動きも増えている。そうした住宅のシェアの最新動向がわかる本が『東京シェア生活』だ。

 本書は、シェアハウス専門の不動産情報サイトを運営するひつじ不動産が監修したもの。ひつじ不動産が定義する「シェアハウス」は単なるルームシェアとは違う。ルームシェアは個人同士の私的な信頼関係によって運営されるが、シェアハウスでは、運営に責任を持ち、運営によって収益を上げている事業者が存在している。こういうシェアハウスに住む人が、2009年12月時点で、主に東京周辺を中心に約1万人いるという。

 シェアハウスというと、おそらく読者の中には、不況で所得が減った若者が、ひとりで部屋を借りられないからシェアハウスを選ぶのだと思うだろう。もちろんそういう理由はあるが、もっと大事なことがある。

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