本田由紀
2010年09月06日
サンデル教授の授業がえらく人気である。私は天邪鬼なのでその人気が癪に触って、遠巻きにしながら横目でチラ見をしているだけだが、気にならないわけではない。なぜこんなに人気なのだろう? 提示する問いが、問われた者の思考を否応なく喚起するようなレリバンスや適度な難しさを含んでいること、一方向な語りでなく学生の意見を聞いた上で応答し社会哲学的な解釈を与えること、特定の結論を押し付けないことなどがどうやら理由らしい。この授業はアメリカでも評判だそうなので、かの国の大学でもそれらの条件を備えた授業がそれほど一般的ではないのだろう。だから、サンデル授業に照らして単純に日本の大学教育を批判することには慎重であるべきだ。
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