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ストーリーの矛盾を見抜いた裁判官

魚住昭

魚住昭 魚住昭(ジャーナリスト)

 「村木厚子元局長が無罪になった理由を一口で言え」と言われても、実際に説明するのはなかなか難しい。無罪の理由がたくさんありすぎて、限られた字数のなかでどれを取り上げたら、読者に最もよく納得してもらえるか、その判断に迷ってしまうからだ。

 たとえば、もともとこの事件は検察のでっち上げだったから、彼女が無罪になるのは当然だという言い方もできる。あるいは、村木元局長や上村勉元係長の弁護人たちが優秀だったから、捜査の欠陥を徹底的に暴けたのだと説明してもいい。

 少し角度を変えて、大阪地裁の横田信之裁判長ら3人の裁判官が真実を見抜く力を持っていたから、村木元局長は無実の罪を晴らせたのだと言っても誤りではない。

 どの角度からアプローチしても結論は無罪しかない。それだけ大阪・特捜の捜査が悪質で、杜撰だったということだ。なかでも私が驚いたのは、

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筆者

魚住昭

魚住昭(うおずみ・あきら) 魚住昭(ジャーナリスト)

ジャーナリスト。1951年、熊本県生まれ。一橋大法学部卒。75年、共同通信社入社。社会部記者として87年から司法クラブに在籍しリクルート事件などを取材。96年退社。司法分野や人物フィクションの執筆をしている。著書に『特捜検察』『渡邉恒雄 メディアと権力』『特捜検察の闇』『野中広務 差別と権力』(講談社ノンフィクション賞)など。2014年6月、WEBRONZA筆者退任

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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