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男性が「男役割」をやめれば自殺は減る

澁谷知美

澁谷知美 東京経済大准教授(社会学)

 今回のお題は「自殺とうつ病を減らすためには」。自殺対策とうつ病対策は重なる所がありつつも別のものなので、ここでは自殺対策のみ取りあげたい。

 まず、自殺で誰が亡くなっているのかを見てみよう。2009年の統計によれば、男性71.5%、女性28.5%と、圧倒的に男性が多い(以下、データは『自殺対策白書』2010年版より)。年齢を加味すれば、40 ~60歳代の男性で自殺者全体の約4割を占める。

 自殺の動機は男性の場合、自営業・家族従業者においても、被雇用者・勤め人においても、「経済・生活」が第1位となっている。男性無職者の動機の第1位は「健康」だが、労働年齢にある場合、仕事を失ったり、職場でひどい扱いを受けて病気になり、自殺するケースが多い。健康問題で亡くなった場合もなんらかの形で経済・生活問題がからんでいると見てよい。

 つまり、仕事を失った、あるいは仕事に就けない男性が自ら命を絶つパターンが、現代日本の自殺の多くを占めていると考えられる。 ・・・ログインして読む
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筆者

澁谷知美

澁谷知美(しぶや・ともみ) 東京経済大准教授(社会学)

東京経済大准教授。1972年大阪市生まれの千葉県育ち。東大大学院教育学研究科博士課程修了。専門は社会学および教育社会学、主な研究テーマは男性のセクシュアリティの社会史。単著に『日本の童貞』『平成オトコ塾 悩める男子のための全6章』『立身出世と下半身 男子学生の性的身体の管理の歴史』、共著に『性的なことば』などがある。【2015年6月WEBRONZA退任】

 

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