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ラジオのビジネスモデルは崩壊した

川本裕司 朝日新聞社会部記者

 神戸女学院大教授の内田樹さんが8月に刊行し版を重ねる『街場のメディア』で、ラジオを高く評価した。「僕がテレビよりラジオに親近感を覚えるのは、ふだん権力的なものの干渉に対して、ラジオのほうがテレビに比べてずいぶん自由にふるまえるからではないかと思います」

 ところが、現実のラジオは経営面で崖っぷちに立たされている。ある在京ラジオ局の首脳は「ラジオ局のビジネスモデルはすでに崩壊している」と語った。

 ラジオ局の売上高は2001年から9年連続で減少。今年、広告収入の落ち込みが止まらなかったFM局は、各地で経営破綻に追い込まれた。

 名古屋市の外国語FM「愛知国際放送(RADIO―i)」が9月30日、ラジオ局で初めて停波した。神戸市の「Kiss―FM KOBE」も4月に民事再生法の適用を申し立て、FM東京などが出資して設立された「兵庫エフエム放送」に10月1日から事業譲渡された。福岡市の外国語FM「九州国際エフエム(LOVE FM)」は西鉄グループが運営するコミュニティー放送「天神エフエム」(福岡市)に来年1月1日をめどに事業譲渡する方針だ。

 テレビ東京が筆頭株主だった東京都の外国語放送、エフエムインターウェーブ(インターFM)も、債務超過に陥っていた。テレビ東京とBSジャパン、テレビ東京ブロードバンドが経営統合し、10月1日に発足したテレビ東京ホールディングスの狙いの一つは、インターFMの救済ではないか、との見方が関係者から出ている。

 大阪市の関西インターメディア(FM CO・CO・LO)を除き、外国語FMは総崩れとなった。総務省のラジオ置局政策の失敗は明らかだ。

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筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞社会部記者

朝日新聞社会部員。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員などを経て、19年5月から大阪社会部。著書に『変容するNHK』『テレビが映し出した平成という時代』『ニューメディア「誤算」の構造』。

 

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