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真の動機つかめぬ無差別殺傷事件

緒方健二

緒方健二 朝日新聞西部報道センター記者

 20年以上も事件の取材をしていますと、いろんな犯罪に出くわします。殺人や強盗、強姦、誘拐、窃盗、詐欺、贈収賄、偽装結婚、通貨偽造、不法入国、覚せい剤売買などなど数え上げたらきりがありません。私たちが新聞でこれらの事件を報道する大きな理由は、同じような事件の再発防止に役立ちたいと考えるからです。事件を起こした犯人について、どんな環境で育ったかや警察の取り調べにどんなことを話したのかを調べます。犯人の親族や勤務先を訪ねて行くこともあります。事件を起こした理由や背景を探り、それを記事にする。外れているかも知れませんが、かすっているかも知れない。教訓になりそうなことをあぶり出して報じ、社会全体で考える材料にしたい。微力は承知で、事件の原因となりそうなことを取り除いていきたいのです。

 ただ原因をつかみづらい事件もあります。そのひとつは無差別殺傷です。「通り魔」事件とも呼ばれます。警察の定義に従えば「人の自由に出入りできる場所で、確たる動機がなく、通りすがりに不特定の者に対し、凶器を使うなどして危害を加える」事件です。2008年6月8日に東京・秋葉原で、加藤智大被告が7人を殺し、10人を負傷させた事件も含まれます。

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筆者

緒方健二

緒方健二(おがた・けんじ) 朝日新聞西部報道センター記者

朝日新聞社会部員(組織暴力専門記者)。1958年大分県生まれ、同志社大卒。毎日新聞社を経て88年入社、92年東京本社社会部。警視庁警備・公安、捜査1課、国税などを担当、99~2004年警視庁キャップ。東京社会部デスクを経て、04年から警察・事件担当の編集委員。地下鉄サリンなど一連のオウム真理教事件のほか数多の殺人、贈収賄、暴力団犯罪などを取材。17年4月から西部報道センター。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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