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ザック・ジャパン、実り多き船出

速水徹

速水徹

「親善」とは名ばかりの、激しいつばぜり合いだった。ソウルのワールドカップ競技場で12日夜にあったサッカーの日本代表と韓国代表の試合は、「フレンドリーマッチ」の枠を超えた、互いの身を削り合うような、息詰まる闘いとなった。

 両国間の複雑な歴史と因縁もあり、互いに、「負けられない一戦」という意識を強く秘めてのゲーム。日本代表は6万を超える地鳴りのような歓声の中で戦ったが、しかし、アウェーの異様な空気にもひるまず、よく走り、よく攻めた。

 互いの意地が、ピッチのそこここで、ぶつかり合った。ディフェンダーの駒野が空中戦の競り合いで相手の激しい接触にあって転倒、右腕を骨折するなど、ボクシングで言えば壮絶な殴り合いのような試合だ。結果的にゴールネットを揺らすことはなく、スコアレス・ドロー。日本の韓国戦の連敗は「2」で止まったが、5年ぶりの韓国戦勝利はならなかった。

 しかし、そうした数字など、この時点では、どうでもよいことだ。

 ザッケローニ新監督が目指す方向性に、選手たちは確かな手応えを感じ取った。そのことこそが、何よりの収穫だ。

 攻撃面では、「縦」への意識付けである。 ・・・ログインして読む
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筆者

速水徹

速水徹(はやみ・とおる) 

朝日新聞論説委員。1960年生まれ。83年に入社、東京スポーツ部などでプロ野球などを担当。バルセロナ、アトランタ、バンクーバー五輪を取材。東京、大阪社会部では警視庁、遊軍担当。大阪本社スポーツ部長を経て09年から東京本社報道局スポーツグループ記者兼論説委員。共著に『やっとお前がわかった――子どもたちへ』 など。

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