古西洋
2010年10月22日
社会の信頼を失った組織の再生には、最高責任者の人選がかぎとなる。とくに、検察庁という組織は、司法修習を終えてすぐに検事になった生え抜きの人々が主体となっているため、閉鎖された独立性の強い組織となっている。そのため、旧弊にとらわれずに改革を進めるためには、「外部の血」を入れるしかないだろう。
証拠改ざん事件の監督責任をとって現職の大林宏検事総長が辞職するかどうかが注目されている。トップ交代となっても、その再生を指揮する資質には欠かすことのできない条件がある。
一つは、二度と今回のような権力犯罪を起こさないための組織改革を行う実行力があること。
いま一つは、新生検察庁が政界と官界、経済界といった権力や影響力のある人々から独立して業務を遂行できること。
検察の外から人材を登用するとき、この二つの条件を両立させることは簡単ではないだろう。
検察庁法は、内閣が検事総長を任命すると定め、検事総長ら幹部検察官の任命資格について次のように定めている。
(1)8年間以上、検事か判事補、簡裁判事、弁護士を務めた人
(2)最高裁裁判官か高裁長官、判事を務めた人
(3)法律家の資格を持った法務事務次官など一定の範囲の役人
このように検察庁法が幹部人事の登用範囲をベテラン法律家に事実上限定しているのは、検察庁の独自性をなにより重視しているためと考えられる。
となると、上記の二つの条件を満たす人物は、実行力と統率力を持つ、中立公正な人格を持った裁判官か弁護士、あるいはいずれかのOBということになろう。
ここで問題となりそうなのは、政権党の民主党が小沢一郎氏の政治資金をめぐる事件を抱えていることだ。もし、菅内閣が小沢氏の影響力のある人物に検察改革を委ねれば、検察の一大不祥事に乗じて検察に影響力を行使しようとしているのではないかと見られ、国民から批判を浴びるだろう。
そこで、
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