2010年11月02日
というのも、草食系男子に代表される「男らしくない男」に疑義をはさむ、もしくは彼らを叩く現象は、少なくとも1960年代から断続的に生じているからである。その間およそ50年。叩かれる側よりも、叩く側の飽くなきエネルギーのほうに興味が沸く。ということで、上のテーマである。
誰が彼らを叩いているのか。第一に、「男たるもの、女とハメてナンボや!」と思っているオヤジ(とその予備軍と手先の女性)である。1960年代から、女とハメない男性、つまり童貞をバカにする風潮が生じはじめた。雑誌はこぞって特集を組み、童貞を「不潔」よばわりし、「なんとも、ナサケナイ」と慨嘆し、心身に病気があるのではとまで疑って、彼らを貶めた(詳細は拙著『日本の童貞』を参照されたい)。
童貞でいようがいまいが、そんなものは個人の勝手である。にもかかわらず、オヤジたちが口をはさむのはなぜか。おそらく、自分と異なる価値観を持つ若い男性に、自己の実存が脅かされるような不安を抱くからだろう。
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