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男による男叩きはなぜ繰り返されるのか

澁谷知美 東京経済大准教授(社会学)

編集部からもらったのは、「草食系男子がモテるって本当?」というお題である。が、こちらから、「「草食系男子がモテるって本当?」的な問いはなぜ繰り返されるのか」というテーマで書かせてほしいとお願いした。

 というのも、草食系男子に代表される「男らしくない男」に疑義をはさむ、もしくは彼らを叩く現象は、少なくとも1960年代から断続的に生じているからである。その間およそ50年。叩かれる側よりも、叩く側の飽くなきエネルギーのほうに興味が沸く。ということで、上のテーマである。

 誰が彼らを叩いているのか。第一に、「男たるもの、女とハメてナンボや!」と思っているオヤジ(とその予備軍と手先の女性)である。1960年代から、女とハメない男性、つまり童貞をバカにする風潮が生じはじめた。雑誌はこぞって特集を組み、童貞を「不潔」よばわりし、「なんとも、ナサケナイ」と慨嘆し、心身に病気があるのではとまで疑って、彼らを貶めた(詳細は拙著『日本の童貞』を参照されたい)。

 童貞でいようがいまいが、そんなものは個人の勝手である。にもかかわらず、オヤジたちが口をはさむのはなぜか。おそらく、自分と異なる価値観を持つ若い男性に、自己の実存が脅かされるような不安を抱くからだろう。 ・・・ログインして読む
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筆者

澁谷知美

澁谷知美(しぶや・ともみ) 東京経済大准教授(社会学)

東京経済大准教授。1972年大阪市生まれの千葉県育ち。東大大学院教育学研究科博士課程修了。専門は社会学および教育社会学、主な研究テーマは男性のセクシュアリティの社会史。単著に『日本の童貞』『平成オトコ塾 悩める男子のための全6章』『立身出世と下半身 男子学生の性的身体の管理の歴史』、共著に『性的なことば』などがある。【2015年6月WEBRONZA退任】

 

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