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国民が参加し下した死刑回避の結論

古西洋

古西洋

裁判員裁判で初めて、「死刑にしない」という判決が出た。大化の改新にまでさかのぼる日本の裁判制度は、陪審制の実施された戦前の一時期を除いて一貫してプロが担ってきた。そうした歴史を持つ国民としては、素人が審理に参加して下した死刑回避の選択についてどう受け止めたらいいのだろうか。

 まず、確認しておきたいのは、この結論は裁判員だけで下されたものではないという点だ。裁判員法では、6人の裁判員と3人の裁判官の9人で構成する裁判体が、有罪か無罪か、有罪ならば量刑はいかほどかという点について評議して結論を出すことになっている。とことん話し合ったものの、全員が同じ結論に至らなかった場合には、多数決で決めることになっている。

 ここで大事なことは、評決の方法は単純な多数決ではなく、過半数の意見の中に、必ず、裁判官が1人以上含まれなければならないという点にある。「感情に流されやすい素人の裁判員は公正な判断が出来ず、裁判員の多数決によって重い刑が選択される恐れがある」との批判があるが、これはこうしたルールを無視したものといえよう。

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筆者

古西洋

古西洋(こにし・よう) 

朝日新聞記事審査室長兼紙面オンブズパーソン兼紙面審議会事務局長。1955年生まれ。社会部で司法やメディアを担当。論説委員として司法改革や裁判、事件などの社説を執筆。2011年6月から現職。共著に『ルポ自粛』『孤高の王国』『代用監獄』『被告席のメディア』。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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