潮智史(うしお・さとし) 朝日新聞編集委員
朝日新聞編集委員。1964年生まれ。87年入社。宇都宮支局、運動部、社会部、ヨーロッパ総局(ロンドン駐在)などを経て現職。サッカーを中心にテニス、ゴルフ、体操などを取材。サッカーW杯は米国、フランス、日韓、ドイツ、南アフリカ、ブラジルと6大会続けて現地取材。五輪は00年シドニー、08年北京、12年ロンドンを担当。著書に『指揮官 岡田武史』『日本代表監督論』。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
潮智史
そもそも情勢が厳しいことは早くから予想されていた。従来、開催年の6年前に決められてきた開催国は今回初めて2018年、22年の2大会を同時に決めることになった。当初、両大会への立候補を表明した日本だったが、日本サッカー協会の犬飼基昭・前会長が招致をぶちあげた時点ですでに18年大会は欧州が有力視されていた。のちに18年の立候補を取り下げて22年に絞り込んだが、1994年大会を開催している米国、韓国、オーストラリア、カタールの4カ国との招致争いとなった。
オーストラリアとカタールはそれぞれオセアニアと西アジアで初めての開催をうたうのに対して、日本と韓国には2002年に開催したばかりという印象が常につきまとってきた。また、サッカー不毛の地といわれて久しい米国は94年に過去最多の約359万人の観客を集めた実績があり、今回もアメリカンフットボールの大型競技場を使うことで記録を塗り替える可能性を掲げている。さらに、FIFAの事前視察などの評価によると、テレビ放映権料も大きなメリットがあると認めている。
意外な指摘かもしれないが、日本が苦戦を強いられてきた大きな要因のひとつは競技場など施設のお粗末さだ。わずか8年前にワールドカップを開いたばかりではないか、というのが自然な反応だろう。
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