倉沢鉄也
2010年12月06日
要するに、メダルの数を取りたければ現行制度でより種目が細分化された競技の選手層を厚くすること、そのスポーツ種目において選手の強弱上重要とは言えない種目に力を入れること(例えばテニスとはシングルスの成績がすべての世界であり、ダブルスの実績への評価は低く、タイトルとしてはねらい目と言える)が最も現実的な策である。それはスポーツ政策の指標としては意味があるのかもしれないが、正直言って選手に無関係な「外野」の努力に過ぎない。メダル数に踊る市民はスポーツの見方を学ぶ必要がある。
その上で、アジアにおける日本のスポーツの実力を論じることも、まったく重要でない。およそスポーツの競争フィールドは「事実上の全世界」か「全日本リーグ」のどちらかであり、アジアの他国選手をライバル視して自分を高めることはよいことだが、アジアで勝つか負けるかはその過程でしかないからだ。
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