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子どもの自殺の原因を簡単に探すな

伊藤智章

伊藤智章

 子どもの自殺。

 これ以上に残酷な出来事はまれだ。

 なぜ周りの大人は手を打てなかったのか。あまりにつらい状況があろうと、なぜ子どもはこれから長い将来に夢を託せなかったのか。だれもがそう思うだろう。

 群馬県桐生市の小学生の場合、母親がフィリピン国籍だったことといい、転校生で、目立っていただろうこと、そして給食をひとりで食べていたこと、こうした断片的な事実からしても、教師がもっと手をさしのべる機会は多くあったように思える。無念でならない。

 学校はいじめを認めたものの、いまもって自殺との関連を認めていない。その姿勢には疑問も感じる。しかし、私たちはここで踏みとどまって考えなければいけない。

 こうした事件で、学校をたたくのは、容易だ。でも多くの場合、それで学校はますますかたくなになる。教師、あるいはいじめていた側の子どもたちに非常なストレスがかかる。過去には、追及キャンペーンのはてに、彼らが追い詰められ、亡くなったこともある。

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筆者

伊藤智章

伊藤智章(いとう・ともあき) 

朝日新聞宮古支局長(岩手県)。1960年生まれ。88年入社、名古屋、東京社会部などを経て、05年から論説委員(名古屋在勤)。名古屋報道センター員兼論説委員を経て、11年6月から現職。東海3県の行政、事件、裁判関係の論説記事を担当。水問題を中心とする環境、自殺問題などについても執筆。共著に『ドキュメント官官接待』など。

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