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ほめられることよりも批判されることの方が多いのが警察です。逮捕権や拳銃など法に裏打ちされた強大な権限と武器を持つ「法の執行人」ゆえに、誤認逮捕や警察官の不祥事など道を踏み外したときに厳しく指弾されるのは宿命でしょう。でも大半の警察官は真面目に黙々と仕事をし、日本の治安を保つのに貢献しています。この組織を20年以上見てきた私はそう思います。その結果、命を落とす殉職者が絶えません。東京で先日開かれた慰霊祭には、新たに4人の警察官が祀られました。警察制度ができた明治初めからの殉職警察官はこれで5500人を超えました。

 新潟県警警部の五十嵐久男さん(殉職当時53)、福井県警警部補の橋本和樹さん(36)らです。五十嵐さんは3月27日夜、上越市内の国道でパトカーを運転して手配車両を追跡中、この車とトラックの事故に巻き込まれて死亡しました。慰霊祭に参列した長男が読み上げた追悼の言葉からは、現場の一線で地道に仕事に取り組んできた五十嵐さんの姿が浮かびます。

 1975年に警察官となり、主に住民と直接触れ合うことの多い交番や駐在所に勤め、交通事故の防止に熱心だったといいます。「警察官という職業が常に危険と隣り合わせということは承知していましたが、まさか父がこのような形で職に殉ずるとは思ってもみないことで、母と二人、突然訪れた悲しみにうちひしがれてしまいました」と長男は話します。家族と過ごすことが好きで、幼い頃はよく旅行やキャンプに連れて行ってくれた父とは成人後、互いの仕事が忙しくてなかなか会えなかった。「たまの休みに顔を合わせると普段あまり飲まないお酒をうれしそうに飲んでいた」といいます。

 大阪府警の巡査部長は2008年8月、自宅で寝ていて急性呼吸機能不全で27歳の生涯を終えました。詳しくはわかりませんが、警察関係者によれば過重勤務が原因のようで今年4月に殉職扱いとすることを決めました。

 私に警察の使命や捜査の厳しさを教えてくれた福岡県警捜査2課の警部補は十数年前、やはり過労で死にました。40歳代前半だったはずです。妻と娘二人が残されました。贈収賄事件の担当だったその人は「賄賂をもらう公務員が国を亡ぼす」が口癖で、

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筆者

緒方健二

緒方健二(おがた・けんじ) 元朝日新聞編集委員(警察、事件、反社会勢力担当)

1958年生まれ。毎日新聞社を経て88年朝日新聞社入社。西部本社社会部で福岡県警捜査2課(贈収賄)・4課(暴力団)。20余年いた東京本社社会部で警視庁捜査1課(地下鉄サリンなどオウム真理教事件)・公安、国税、警視庁キャップ(社会部次長)5年、社会部デスク、編集委員、犯罪・組織暴力専門記者など。2021年5月に退社 【Twitter】@jikenji3783

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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