緒方健二
2010年12月31日
新潟県警警部の五十嵐久男さん(殉職当時53)、福井県警警部補の橋本和樹さん(36)らです。五十嵐さんは3月27日夜、上越市内の国道でパトカーを運転して手配車両を追跡中、この車とトラックの事故に巻き込まれて死亡しました。慰霊祭に参列した長男が読み上げた追悼の言葉からは、現場の一線で地道に仕事に取り組んできた五十嵐さんの姿が浮かびます。
1975年に警察官となり、主に住民と直接触れ合うことの多い交番や駐在所に勤め、交通事故の防止に熱心だったといいます。「警察官という職業が常に危険と隣り合わせということは承知していましたが、まさか父がこのような形で職に殉ずるとは思ってもみないことで、母と二人、突然訪れた悲しみにうちひしがれてしまいました」と長男は話します。家族と過ごすことが好きで、幼い頃はよく旅行やキャンプに連れて行ってくれた父とは成人後、互いの仕事が忙しくてなかなか会えなかった。「たまの休みに顔を合わせると普段あまり飲まないお酒をうれしそうに飲んでいた」といいます。
大阪府警の巡査部長は2008年8月、自宅で寝ていて急性呼吸機能不全で27歳の生涯を終えました。詳しくはわかりませんが、警察関係者によれば過重勤務が原因のようで今年4月に殉職扱いとすることを決めました。
私に警察の使命や捜査の厳しさを教えてくれた福岡県警捜査2課の警部補は十数年前、やはり過労で死にました。40歳代前半だったはずです。妻と娘二人が残されました。贈収賄事件の担当だったその人は「賄賂をもらう公務員が国を亡ぼす」が口癖で、
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