松瀬学
2011年01月01日
はっきり言って、プロ野球は興行である。プロレス同様、人気商売である。斎藤は華がある。運もある。甲子園では「ハンカチ王子」として延長十五回引き分け再試合を制し、神宮でも早大一年春の開幕投手、大学日本一に輝いた。早大四年では五十年ぶりの優勝決定戦を制し、再び、大学日本一にもなった。
けた外れの人気を誇る。どこぞの大学教授が試算したら、斎藤の日本ハム入りによる北海道の経済効果は四十億、五十億となったそうだ。試合の観客数が増え、関連グッズも売れる。放送権収入、広告収入も膨らむ。そんな客とカネを呼ぶことができる斎藤を最初から二軍におけるわけがない。
では、実力はどうなのか。そもそも大学のドラフト1位は即戦力として獲得する。投手なら、先発ローテーション候補である。確かに斎藤には、大石達也(早大―西武)、沢村拓一(中大―巨人)ほどのスピードも球威もない。馬力がない。だが投球技術がある。クレーバーである。とくに対応力。日本ハムのスカウトディレクター、大渕隆さんはこう言っていた。「彼は適応能力を持っている。
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