朝日新聞編集委員。1962年生まれ。足かけ15年にわたり、ネットの広がりと社会の変化を取材。社会部、企画報道室デジタル編集部、米シリコンバレー駐在、アサヒ・コムデスク、科学グループデスクなどを経て、09年から編集委員(IT担当)。訳書に『ブログ 世界を変える個人メディア』。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
平和博
シリコンバレーは、高度にモジュール化されたベンチャーのための生態系だ。ビッグアイディアと才能さえあれば、金でも人でも、残りのパーツは合体ロボのように吸い寄せられ、一気にビジネスの姿をとる。シリコンバレーの成功譚は、グーグルからフェイスブックまで、概ねその繰り返しだ。そして、猛スピードの合体ロボ大戦が繰り広げられる。
その才能輩出の一つの核がスタンフォード大学。サン・マイクロシステムズやヤフー、グーグルの創業者たちがまさにそうだ。ハーバード発のシリコンバレー企業、フェイスブックは、その変形バージョンとも言える。
スタンフォード大の北側を南西に抜けるサンドヒル・ロードはベンチャーキャピタルの集積地として有名な地域だ。グーグルやアマゾンへの投資で知られるクライナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズなど名だたる看板が軒を連ねる。
スタンフォードのキャンパスをはさんで反対側の通り、ページミル・ロードには、ジョン・ルース米駐日大使が最高経営責任者を務めていた名門法律事務所、ウィルソン・ソンシーニ・グッドリッチ&ロサーティもある。
スタンフォードを取り囲むようにして、生態系を構成する会計士、コンサルタント、技術者、社内食堂の料理人、そしてもちろん経営者。この生態系では、とにかく何でもそろう。そして、きわめて人材流動性が高い。合体ロボは、
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