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起業の基盤は『夢』にある

丹治吉順

丹治吉順

 急成長する電気自動車市場で、台風の目として注目されるテスラ・モーターズ(米カリフォルニア)のイーロン・マスクCEO(39)のインタビューを最近の新聞に掲載した(1月15日付朝日新聞be「フロントランナー」)。インターネットの代表的決済サービス「ペイパル」の前身となった企業を立ち上げたベンチャーの星の一人だ。

 ペイパルは少額決済サービスとして今も重要な役割を果たしているが、ある程度成長したところでマスク氏はあっさりとイーベイに売り払い、その売却資金などを基にテスラ・モーターズや宇宙開発のスペースX、太陽光発電システム供給を手がけるソーラーシティなどを興したり出資したりした。インターネット、電気自動車、宇宙、太陽光発電……どうにも脈絡がなく見える。その点に、ITを初めとするアメリカの起業家の特徴と強みがある。

 豊田章一郎・トヨタ自動車社長との共同会見など、過密なスケジュールの合間を縫ってのインタビューで、どれだけ内容のある話が聞けるか内心冷や冷やだったが、「一見関係のない会社を立ち上げる理由は何か」と質問したときのマスク氏の返答には情熱があふれていて、彼の起業精神の核心に触れた気がした。

 「物理学を学んでいた学生時代、人類の将来にとって重要な課題は何かと考えて、インターネット、持続可能なエネルギー、そして宇宙だと思い至った。インターネットは人類の新しい神経系であり、人間の意識を次の段階に進化させる。地球外の生命体に出遭うことができたら、やはり人類の進化が左右されるはずで、それが宇宙に挑む理由」と答えた。

 だが、彼が最も力を込めて語ったのは ・・・ログインして読む
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筆者

丹治吉順

丹治吉順(たんじ・よしのぶ) 

朝日新聞「be」編集部記者。1961年生まれ。学芸部、AERA編集部、ASAHIパソコン編集部を経て、現在「be」編集部。専門分野は、デジタル機器とサービス、インターネット、著作権など。林紘一郎・田中辰雄編「著作権保護期間」(勁草書房)に論文「本の滅び方」を寄稿。

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