三浦展
2011年02月12日
学生の就職希望企業の人気ランキングが毎年発表される。リクルートの人気企業ランキングによると、1965年の1位は東レ。70年、75年は日本航空。80年は東京海上、85年はサントリー、90年、95年はNTT、2000年はソニー、2005年はトヨタ、2010年はJTBである。いつも大企業、その時々の人気企業が上位を占め、そのたびにマスコミは若者の「寄らば大樹の陰」志向を揶揄するという、マンネリ化した構図が続いている。
しかし、人気ランキングをすれば最大公約数的な人気のある企業が上位に来るのは当然であり、その意味で給料がいい、休日が多い、有名である、成長性があるなどの条件が揃った企業が上位に来るのは当然だ。ただ、同じ1位でも、何%の学生がそこに就職したいと望んだのかという数値が発表されない。
昔の1位は30%の学生が希望したが、今の1位は20%しか希望されていないのか、その逆なのか、あるいは変わらないのか、そういう分析もしてくれないと正確なところはわからないはずだ。
それはともかく、こうした学生の大企業志向に対して、中小企業は人手不足だから、そこにも目を向けてはどうかと言う人もいる。私も30年近く前に従業員250人ほどの企業に就職して、それでたまたまうまくいったので、大企業でなくても面白い会社、自分に合う会社を目指せばいいじゃないかとは思う。
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