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九州新幹線全線開通で起きる「交通革命」

大矢雅弘

大矢雅弘 朝日新聞天草支局長

「交通革命が起きる」。九州新幹線鹿児島ルートの全線開通が暮らしや仕事をどう変えるかについて、JR九州の唐池恒二社長が言及した言葉だ。

 東北新幹線の八戸~新青森間が昨年12月に開業し、新幹線が本州北端まで延伸されている。今回の全線開業で、九州の南端から本州の北端まで南北2000キロが新幹線で結ばれる。鹿児島ルートが計画されたのが1973年であり、38年目の悲願達成である。関係者の喜びはひとしおだろう。

 新幹線の最大の効果は劇的な時間短縮にある。たとえば、在来線による博多~鹿児島の移動には3時間50分を要していたが、2004年3月に新八代~鹿児島中央が部分開業して、最速2時間12分に短縮された。全線開業により、同区間は最速1時間19分となり、現在の博多~熊本間とほぼ同じ所要時間で博多~鹿児島を移動できる。唐池社長の言葉も誇張とは言えないほどの時間短縮ぶりである。

 とりわけ、航空路線とのシェアの激変が予想されるのが鹿児島~大阪間だ。一般的に鉄道の所要時間が4時間を切ると、鉄道が飛行機より便利になるとされる。いわゆる「4時間の壁」だ。この壁に挑むためにJR九州が切り札として登場させたのが最速列車「みずほ」だ。

 同じ山陽・九州新幹線の直通列車「さくら」よりも停車駅を絞り込む。朝夕4往復便を運行し、新大阪発で新神戸、岡山、広島、小倉、博多、熊本、鹿児島中央に停車する。これで鹿児島中央~新大阪間が現行の5時間2分が77分短縮されて、3時間45分で結ばれる。熊本~新大阪間も現行の3時間57分が58分短縮され、2時間59分で結ばれる。これは観光客らに強烈な印象を与えるだろう。

 料金は大阪~鹿児島が2万円強とJR九州が発表した。これに対抗して航空会社が割引料金を打ち出せば、JR九州も割引切符を発表するといった具合に、乗客の争奪戦はすでに白熱している。

 鹿児島と大阪間を移動する人のうち、鉄道の利用はいま、全体の1割だが、 ・・・ログインして読む
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筆者

大矢雅弘

大矢雅弘(おおや・まさひろ) 朝日新聞天草支局長

1953年生まれ。長崎、那覇両支局、社会部員、那覇支局長、編集委員。その後、論説委員として沖縄問題や水俣病問題、川辺川ダム、原爆などを担当。2016年5月から現職。著書に『地球環境最前線』(共著)、『復帰世20年』(共著、のちに朝日文庫の『沖縄報告』に収録)など。

 

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