松瀬学(まつせ・まなぶ) ノンフィクションライター
ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、早大卒業後、共同通信社入社。運動部記者としてプロ野球、大相撲、オリンピックなどを担当。02年に退社。人物モノ、五輪モノを得意とする。著書に『汚れた金メダル』(ミズノスポーツライター賞受賞)、『早稲田ラグビー再生プロジェクト』、『武骨なカッパ 藤本隆宏』。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
松瀬学
もはやセ・リーグに常識は通用しないのか。同じ仲間のパ・リーグは東北楽天の本拠地、仙台が被災したこともあって、早々と4月12日に開幕を延期した。当然だろう。被災地では救出、救援に追われており、いまだに被害の全容もつかめていないからだ。
しかも原発事故の影響も出てきている。関東以北では電力事情が悪く、「計画停電」が実施されている。こんな状況でファンがプロ野球を心から楽しめるわけがない。選手会とて「同時開幕」を訴え、セ・リーグの早期開幕には反発している。
なのに、巨人主導のセ・リーグは当初、予定通り25日開幕を強行しようとした。なんとも傲慢である。監督官庁の文部科学省から文句をいわれると、即座に29日開幕に延期した。わずか一カード延ばしたところで、大勢にはほとんど影響もなかろう。
とくに4月5日から東京ドームでは巨人×阪神三連戦が組まれている。これをデーゲームに移したところで、同じく大量の電力を消費することになる。巨人の渡辺恒雄会長よ、それはないだろう。巨人ファンはともかく、おそらく世間が納得しない。
なぜなのだろう。どうしてセ・リーグ、とくに巨人は早期開幕にこだわるのか。プロ野球関係者はそっと教えてくれた。「巨人のメンツじゃないの」と。
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