三浦展(みうら・あつし) 三浦展(消費社会研究家、マーケティングアナリスト)
消費社会研究家、マーケティングアナリスト。1958年生まれ。一橋大社会学部卒業。情報誌『アクロス』編集長や三菱総合研究所主任研究員を経て、消費・都市・文化研究シクンタンク「カルチャーズスタディーズ研究所」主宰。著書に『「家族」と「幸福」の戦後史』『下流社会』『ファスト風土化する日本』『シンプル族の反乱』『マイホームレス・チャイルド』など。
三浦展
大相撲八百長問題については、私ははっきりと、どうでもよい、くだらない問題だと思っている。たまたま携帯メールという物証が残るやり方でばれてしまったから大問題になってしまったが、固定電話や直接会っての交渉であればばれなかったはず。これは京大受験生がインターネット経由でカンニングしたためにばれてしまったのと同じで、古典的なカンニングペーパーならばれなかったかもしれないし、ばれてもマスコミで大騒ぎにはならなかった。
ばれなければいいのか、と言われるかも知れないが、大相撲の八百長程度なら、ばれなければそれでいいのである。こんなことでマスコミが大騒ぎする必要はない。つまらない真剣勝負よりも、見て面白い八百長のほうがいいだろう。八百長の取り組みだといわれる一番を見ても、知らなければ八百長とはわからないし、むしろ八百長だとばれないようにしているから、かえって相撲としては面白いくらいだ。たしかにあまり力が入っていないように見えるが、それは八百長以外の相撲にもある。
金が絡んでいなくても、情が移って負けてやることもある。情より勝負を重んじた先代若乃花は、だからこそ「土俵の鬼」と呼ばれたのだ。普通の力士は鬼にはなれぬ。ということは、
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