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震災で注目されたツイッターの光と影

川本裕司

川本裕司 朝日新聞社会部記者

東日本大震災の直後につながりにくくなった携帯の電話やメールに比べ、接続で強みを見せたのが簡易投稿サイト「ツイッター」だった。震災の関連情報をやり取りする利用者が急増、被災者支援に向けて自治体やマスメディアでの活用が広がる。ただ、デマ情報が広がる危険性を指摘する声もある。

 慶応大SFC研究所上席所員の松村太郎さん(31)は地震があった3月11日、茨城県の筑波大にいた。午後2時55分、iPhoneからツイッターで「つくば、学会発表中ですが、屋外に避難」と書き込んだ。11分後、都内にいた妻から「私は無事」と返事が来た。ツイッターの直前に送った携帯メールが妻に届いたのは夜7時ごろだった。

 松村さんは「3年前に日本語サービスが始まり国内ユーザーが一千万人を超えるツイッターが、大規模災害の情報伝達に初めて有効に活用された事例といえる」と語る。

 ツイッターで約20万人のフォロワー(登録読者)がいるITジャーナリストの林信行さん(43)は15日夕、2人の読者から安否情報の掲載を依頼された。宮城県気仙沼市の3人の名前をあげ、捜している人がいることをツイッターでつぶやいた。この書き込みの効果かどうかはわからないが、約1時間後に「2人が見つかった」という情報がもたらされた。

 11日の地震発生17分後に「非常呼集なう」。陸上自衛官と名乗る「kir_imperial」のツイッター上のつぶやきが始まる。「捜索開始1時間も経たずに行方不明者のご遺体を発見。その後も次々と発見される」「被災地の想像以上の悲惨さと疲れで帰りの車内は皆黙ったままだった」「原発近くの部隊は今防護衣きて防毒マスクつけて完全武装だよ」

 ビデオジャーナリスト神田敏晶さん(49)は、救助にあたる当事者でしか語れない現実感に注目した。震災後、自身のツイッターのアクセス数は7~8倍に増えたという。「ツイッターを使いやすいスマートフォンの普及と非常時での有用性によって、注目が急に高まった」と話す。

 自治体では、岩手県などがライフラインや臨時電話、バスの運行開始などの情報をツイッターで伝えている。

 マスメディアも、被災者向けの生活情報や被災地以外での支援方法をツイッターで発信している。ラジオ・テレビ兼営の岩手放送とラジオ福島は ・・・ログインして読む
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筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞社会部記者

朝日新聞社会部員。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員などを経て、19年5月から大阪社会部。著書に『変容するNHK』『テレビが映し出した平成という時代』『ニューメディア「誤算」の構造』。

 

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