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ユッケを食べて亡くなった方がいる。一義的には店が悪いが、生肉を食べるのはある程度自己責任もあると思う。フグだって牡蠣だってそうだ。私も牛のレバ刺しを食べた直後、足におできができたこともある(因果関係は不明だが)。夏にあさり入りの餃子を食べてじんましんが出たこともある。加熱が不足していたのだ。しかしそういうことは当然ありうるリスクだ。リスクを考えると生肉を子どもに食べさせるのは私には信じがたい。しかも低価格の肉である。リスクがあるのは当然だ。

 しかし現在の社会では、そうしたリスクが現実になった場合、店側が一切の責任を負うことになっている。それもまあ当然なのだが、消費者がそのことにあぐらをかいて、店で出しているんだから安全だろう、リスクはないだろう、何かあっても店が補償するだろうと思って食事をするのは、消費者自身が少し怠け過ぎじゃないかと私は思う。

 そもそもそんなにユッケを食べる人がいるのかといぶかしく思ったが、事件に関するNHKニュースを見ると、20-30代でユッケを食べる人がとても多いのだそうだ。何を食べようと自由だが、そんなにユッケが好きなのは、おそらく子ども時代から柔らかい物ばかり食べてきたからじゃないかと思えてならない。肉を噛み切ることすら面倒くさくなったんじゃないか。そしてリスクを考えることも面倒くさいのだ。ただ金を出して与えられる物を食べる。それではペットとあまり変わりがない。われわれは、食べることにはいろいろなリスクがあるということを忘れるべきではないのだ。

 私はファストフードをほとんど食べないが、それは ・・・ログインして読む
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筆者

三浦展

三浦展(みうら・あつし) 三浦展(消費社会研究家、マーケティングアナリスト)

消費社会研究家、マーケティングアナリスト。1958年生まれ。一橋大社会学部卒業。情報誌『アクロス』編集長や三菱総合研究所主任研究員を経て、消費・都市・文化研究シクンタンク「カルチャーズスタディーズ研究所」主宰。著書に『「家族」と「幸福」の戦後史』『下流社会』『ファスト風土化する日本』『シンプル族の反乱』『マイホームレス・チャイルド』など。

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