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4月に発表された四半期決算で、アップルは2011年1-3月期に全世界で469万台のiPadを販売したことを明らかにした。初代iPadの登場からちょうど一年、これまでの累計販売台数は全世界で2000万台近くに及ぶ。米国に続き日本で販売の始まったiPad 2も、各所で売り切れるなど好調なすべり出しだ。ノートパソコンとスマートフォンのあいだを埋めるという「第三のデバイス」に対しては、当初こそ懐疑的な見方もあったが、消費者には受け入れられた格好である。

 もっとも、iPadがアップルの思い通りに利用されているかというとそうとも言いがたい。振り返れば、初代iPadの発表会では電子書籍サービスiBookや、New York Timesなどの電子新聞について多くの時間が割かれていた。アップルはいまやハードウェアだけの企業ではない。さまざまなアプリを販売し、音楽データや書籍データといったデジタルコンテンツを仲介する、巨大コンテンツ企業でもある。iPodでは音楽ストアiTunesと連携することで、デバイスとコンテンツを強固に結びつけ、音楽業界を一変させるほどの成功を成し遂げた。これと同様に、アップルが大画面のiPadを発売した狙いは、電子書籍や電子新聞、電子雑誌といった収益性の高いデジタルコンテンツの販売を促進することにあったはずだ。

 ところが、こうしたiPad向けデジタルコンテンツは、今のところ大きな成果を挙げられていない。一早くiPad版を売り込んだ雑誌WIREDは、当初こそ10万部以上を売り上げて話題になったものの、昨年末には早くも2万部近くまで落ち込んでいるという。今年2月に鳴り物入りで発表された、Wall Street Journalが手がけるiPad専用新聞The Dailyも、今のところ苦戦が続いている状況だ。もちろんゲームなど単価の低いアプリはiPadにおいても人気だ。しかしiPadがそれだけの存在で終わってしまっては、アップルとしては不満が残るだろう。

 こうした問題を抱えるのはアップルだけではない。iPadに負けじと、各社さまざまなタブレット端末を発表しているが、

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筆者

小関悠

小関悠(こせき・ゆう) 小関悠(三菱総合研究所情報技術研究センター研究員)

三菱総合研究所情報技術研究センター研究員。1979年、神戸市生まれ。京都大学大学院情報学研究科修士課程修了。専門はネットコミュニティ、デジタルコンテンツビジネス、データマイニング。著書に『先読み「情報脳」の鍛え方 ~情報中毒社会サバイバルガイド~』。

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