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 今度の震災後の日本を戦時中に例える論者が多い。組織の不備やいろいろな状況がよく似ているのは否めない。菅総理に代わる次の総理という話をするなら、戦争当時、東条英機がどのように総理の職を失い、どういう性質の政権に引き継がれたかということと比較せざるを得ないだろう。

 陸軍大将を首相に供えた東條英機内閣は、陸軍の傀儡政権と思われがちだが、必ずしもそうではなかった。軍部の統帥権の独立という盾の下、むしろ戦況は正しく伝わらなかった(=秘密主義)。そもそもこの戦争は、陸軍と海軍は互いのメンツにこだわり、共同せず別々の戦争を戦っていた(=派閥争い)。

 こうした状況で東條は軍需大臣などの要職を兼任して権力の把握に努めるが、自らの閣僚が始めた倒閣運動によって首相の座を追われている。東條はアメリカと戦う前に、軍と閣僚という身内と戦って敗れたのだ。現在の状況と照らし合わせると、現状の官邸周辺の状態と当時の東條内閣が、驚くほどよく似ていることがわかる。足の引っ張り合いに終始する政局争い、情報を隠蔽する東京電力、原子力安全保安院。瓜二つである。 ・・・ログインして読む
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筆者

速水健朗

速水健朗(はやみず・けんろう) 速水健朗(フリーランスライター・編集者)

フリーランスライター・編集者。1973年生まれ。コンピュータ誌を経て、2001年よりフリーランスとして活動。主にメディア史、文化研究、企業・業界研究などのジャンルで取材・執筆活動を行う。TBSラジオ『文化系トークラジオLife』レギュラー出演中。著書に『タイアップの歌謡史』『自分探しが止まらない』『ケータイ小説的。~“再ヤンキー化”時代の少女たち~』。

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