後藤正治
2011年06月27日
野党・民主党は総選挙において大勝し、政権交代は成った。鳩山内閣、ついで菅内閣が登場したが、いまや政界は菅内閣の幕引きをめぐってゴタゴタが続いている。民主党への期待感はすぼみ、政権交代という言葉もすっかり色褪せた。
民主党政権が国民の期待に応えられなかったせいであるが、世が一気にバラ色に染まるがごときものとして、政権交代への期待感が大き過ぎたという見方も成り立つのではあるまいか。そもそもないものねだりをしてきたのだと。
私は別段民主党支持者ではないが、民主党政権にも取柄はなくはなかったと思う。記憶をひも解くと、たとえば核の持ち込みに関する密約問題にメスが入れられた。水俣病や肝炎ウイルス患者への救済措置が取られた。最近では中電へ浜岡原発の一時休止要請が行なわれた。いずれも自民党政権では前に進まなかったと思われるテーマである。
一方、デフレ経済の克服や財政破綻から脱却という国家的課題には見るべき成果はなかった。〝埋蔵金”やら“事業仕分け”やら、キャッチフレーズは目を引いたが、見かけ倒しに終わった。国が構造として罹患している慢性疾患にはそうそう特効薬などないのだ。
政権交代によって実現した民主党政権、大相撲の星取表でいえば
有料会員の方はログインページに進み、デジタル版のIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞社の言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください