メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

精度アップと速さ、フィットネス強化が必要――PNC初優勝のラグビー日本代表

松瀬学 ノンフィクションライター

9月開幕のワールドカップ(W杯)に挑むラグビーの日本代表が変ぼうしつつある。常夏のフィジーで行われたパシフィック・ネーションズカップ(PNC)で、世界ランクでは上位のトンガ(7月9日)、フィジー(同13日)を連破し、初優勝を果たした。

 優勝という結果はともかく、試合内容から、ジョン・カーワン(JK)ヘッドコーチが推し進める『日本スタイル』の方向性に自信が備わった。これが大きい。スタイルとは、日本の強みの「3H」、すなわち「低さ・速さ・激しさ」を生かし、守っては組織的なディフェンスを敷き、攻めてはフラットなラインでひろく素早く連続攻撃を仕掛けることである。

 JKは総括した。

 「チームはひとつレベルアップした。我慢して立ってタックルし続けた。勇気を持って、強気の攻めをしてくれた」

 たしかに、トンガ戦でも、フィジー戦でも、ディフェンスは崩れなかった。ゲームの入りでの「ワン・オン・ワン(1対1)タックル」の乱れはあったものの、最後までしつこくタックルした。ひとり目がボールにヒットし、ふたり目が足元に飛び込む。

 とくに疲労が蓄積されてからの「フィジカル・タックル」に成長の跡がみえた。FWでフランカーのマイケル・リーチ、バックスではCTBライアン・ニコラスが猛タックルで周りをリードする。「全員の戦う意志が確立された」とニコラスは胸を張った。

 攻めにしても、テンポが随分、速くなった。FWの集散、ラックの球出しがよくなったからである。「ワンモア(もうひとつ)ラック」を合言葉に「走ろう」という意識が浸透したからだろう。倒れてからの立ち上がりの早さにその意思統一がみえる。

 もっとも、W杯となれば、少ない攻撃回数でトライを奪うことが重要となってくる。パワフルな相手に、攻撃回数を重ねれば、ボールを奪われる危険性が増えるからである。セットプレーからの一次、あるいは二次攻撃でトライをものにしたい。

 PNCのテーマのもうひとつが、W杯で通用する選手の見極めだった。初代表のSOマリー・ウィリアムスは

・・・ログインして読む
(残り:約712文字/本文:約1568文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

松瀬学

松瀬学(まつせ・まなぶ) ノンフィクションライター

ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、早大卒業後、共同通信社入社。運動部記者としてプロ野球、大相撲、オリンピックなどを担当。02年に退社。人物モノ、五輪モノを得意とする。著書に『汚れた金メダル』(ミズノスポーツライター賞受賞)、『早稲田ラグビー再生プロジェクト』、『武骨なカッパ 藤本隆宏』。

松瀬学の記事

もっと見る