2011年07月16日
優勝という結果はともかく、試合内容から、ジョン・カーワン(JK)ヘッドコーチが推し進める『日本スタイル』の方向性に自信が備わった。これが大きい。スタイルとは、日本の強みの「3H」、すなわち「低さ・速さ・激しさ」を生かし、守っては組織的なディフェンスを敷き、攻めてはフラットなラインでひろく素早く連続攻撃を仕掛けることである。
JKは総括した。
「チームはひとつレベルアップした。我慢して立ってタックルし続けた。勇気を持って、強気の攻めをしてくれた」
たしかに、トンガ戦でも、フィジー戦でも、ディフェンスは崩れなかった。ゲームの入りでの「ワン・オン・ワン(1対1)タックル」の乱れはあったものの、最後までしつこくタックルした。ひとり目がボールにヒットし、ふたり目が足元に飛び込む。
とくに疲労が蓄積されてからの「フィジカル・タックル」に成長の跡がみえた。FWでフランカーのマイケル・リーチ、バックスではCTBライアン・ニコラスが猛タックルで周りをリードする。「全員の戦う意志が確立された」とニコラスは胸を張った。
攻めにしても、テンポが随分、速くなった。FWの集散、ラックの球出しがよくなったからである。「ワンモア(もうひとつ)ラック」を合言葉に「走ろう」という意識が浸透したからだろう。倒れてからの立ち上がりの早さにその意思統一がみえる。
もっとも、W杯となれば、少ない攻撃回数でトライを奪うことが重要となってくる。パワフルな相手に、攻撃回数を重ねれば、ボールを奪われる危険性が増えるからである。セットプレーからの一次、あるいは二次攻撃でトライをものにしたい。
PNCのテーマのもうひとつが、W杯で通用する選手の見極めだった。初代表のSOマリー・ウィリアムスは
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