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新聞業界の絶望的構造に手を打つべし!

倉沢鉄也

倉沢鉄也 日鉄総研研究主幹

2011年3月期の決算(連結)において、確かに「読朝毎日産」の中央5紙のうち、毎日新聞だけが2011年3月期締めで、当期純損益は9.6億円の赤字になっている。しかし、毎日は2009年度には4.2億円の黒字であり、赤字を出したのは朝日(▲33億円)、日経(▲132億)、産経(▲6億円)である(読売は黒字)。2008年度には読売、朝日、産経も赤字決算になっている(毎日も▲12億。日経は黒字)。2007年度以降、単年度でも売上高を伸ばした新聞社は、5社中ゼロ。5紙×4年間で、すべて前年比減だ(以上、金融庁EDINETより。読売のみ「新聞之新聞」より)。

 現在、地方も含めた新聞社、密接な資本関係にあるテレビ放送局はいずれも、本業の収益を不動産収入でカバーしている状態にある。それすら、都市部テナント需要の不足で、新聞社全体の数字で見ると、2005年をピークに「その他収入(主に不動産と金融)」は目減り中だ(日本新聞協会調べ)。

 決してネットビジネスなど本業周辺の新しいビジネスでカバーしているのではない。人事の別採用を行うなどネット事業部門の先頭を行く日経すら、紙の編集局と訣別してまったく別の新聞「カンパニー」を実現しているわけではない。各新聞社のWebサイトに騒がしく次々出てくるバナー広告の収入も、ネット新聞の独立採算の礎には、まったくなっていない。

 紙の事業に関する外部のコスト削減は、もう乾いた雑巾を絞る状態まで来た。新聞社全体での製作・印刷・発送業務の従業員数は、2000年からの10年で4割まで減った(日本新聞協会調べ)。正社員の人件費はまだ存分に高給であり、コストダウンのためにはこの聖域に対してさらに手をつけていくしかない。

 もちろん、毎日新聞の経営状態の

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