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プロ野球・オールスター戦は何のためにあるのか?

大坪正則(スポーツ経営学)

大坪正則 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

●オールスターを裏から見る

 筆者は、1986年から1996年までの約10年間、米国のプロバスケットボール(NBA)とのテレビ放送権、商品化権、スポンサーシップ、試合興行を含む日本における包括的ライセンス契約の責任者だった。その関係から幾度となくNBAからオールスター(球宴)に招待された。特定の調査を目的に少数で見学する時もあれば、商品化権に携わる会社の社長など10名程度の団体で楽しむこともあった。

オールスター戦で、談笑する日本ハムのダルビッシュ有投手と楽天の田中将大投手=Kスタ宮城で
 かかる経験を踏まえ、10年ぶりに3試合になった今年のプロ野球の球宴第3戦を見るために仙台に行った。当然、大震災の爪痕を現地で見てみたいとの欲求もあったので、球宴前日の土曜日から仙台に入った。

 球宴を迎える仙台市の歓迎ムードを確かめるために市の中心街を歩いてみたかったし、球宴の準備状況について楽天球団の首脳と意見交換をすることも目的の一つだった。球宴当日は、早くから球場に行って、試合前の雰囲気を充分に楽しんだ。

 日本のプロ野球の球宴を球場で見るのは初めてだった。米国での球宴もNBA以外は球場(アリーナを含む)で見たことがない。

 しかし、実際にNBAの球宴を見たり、NBAを通じて米国のプロリーグの球宴について充分に話を聞いていた。これらを踏まえて日本のプロ野球の球宴を眺めると、相当米国とは異なっていた。

 その原因は、

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